*

怪物は江川と鶴田だけ

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


松井優史『真実の一球 怪物・江川卓はなぜ史上最高と呼ばれるのか』(竹書房)という本を書店の店頭でぱらっとめくったら、冒頭に「”怪物”の称号が似合うのは後にも先にも江川卓とジャンボ鶴田だけ」と書かれていて、思わず買ってしまった。
残念ながら本文では鶴田には触れられておらず(当たり前か)、
江川の高校時代の空前絶後といっていい怪物ぶりが存分に描かれている。
公式戦でノーヒットノーラン10回、うち完全試合2回、連続145イニング無失点、一試合最多奪三振23などの記録も尋常でないが、人気振りもすさまじく高野連の会長が「匂いつきのハンカチ」を2枚もってきて「サインしてくれ」と頼んだという。
結局、あまりの怪物ぶりに「見世物」になってしまい、江川の野球人生を狂わせたことがよくわかった。
     ☆         ☆        ☆
集英社のPR誌「青春と読書」で角幡唯介と対談。
このブログ上で「対談をしたい」と書いたら担当編集者から依頼が来たのだ。
なんでも言ってみるものである。
だが、対談したら、全盛期バリバリの格闘家と試合をしたベテランプロレスラーみたいな気持ちになった。

関連記事

no image

大家のおばちゃんには誰も勝てない

日曜日、「野々村荘」の大家のおばちゃん宅で宴会をした。 久しぶりに会うおばちゃんは齢83という高齢で

記事を読む

no image

熱燗プロジェクト敗れたり!

先週の金曜日から日曜日にかけて、 南三陸町にまた行ってきた。 今度はボランティアでなく、月刊「おとな

記事を読む

no image

ダチョウ力

J-WAVE「Classy Cafe」という番組の収録。 いつものようにナビゲーターの質問にてきとう

記事を読む

カーンとハーン

「すごくおもしろそう」と妻が買ってきたインド映画「マイネーム・イズ・ハーン」。  DVDの表紙を見

記事を読む

no image

トルコで未確認物体を目撃&撮影

昨夜、トルコより帰国した。 すでにお伝えしたように、トルコのワン湖での取材中に、奇妙な物体を目撃、ビ

記事を読む

no image

シャングリ・ラは実在した!

探検部の後輩・角幡唯介の開高健ノンフィクション賞受賞作品 『空白の五マイル』(集英社から刊行予定)の

記事を読む

no image

まつりスペシャル

この前話題にあがった神尾葉子氏だが、少女マンガの絵にアレルギー体質がある私には さすがに『花より男

記事を読む

no image

ソマリランドに行く予定

15日の金曜日から、いよいよソマリランドに行きます。 今年になってから二度、「行く」と宣言しておいて

記事を読む

no image

怪獣奇書、出版したい人は手をあげて!

昨日、トルコの怪獣についての奇書を紹介したら 「その本が読みたい」というコメントがあった。 私も実は

記事を読む

no image

小説にいちばん近いルポ

 日本に移り住んだ外国人の食生活を追った『移民の宴』。「おとなの週末」で連載したものを大幅に加筆修正

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年8月
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031
PAGE TOP ↑