ユーフラテスの旅の落とし穴
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
昨日やっとこワンに飛んだ。
延々とつづく茶色の香料として山岳地帯を見下ろし、
「こんなところで河下りなんかできるのか?」といまさらながらに不安をおぼえつつ到着。
私にとっては三度目、森と末沢にとっては二回目、そしてオダ君にとっては初めてのワンだ。
そして今日はユーフラテス河の下見旅に出発。
ルノーのセダンをレンタカーで借りた。
ドライバー兼ガイドは『怪獣記』でも活躍してくれたエンギン。
出発直後にオダ君が「ひーん!!」と尻尾を踏まれた犬みたいな悲鳴をあげるので
びっくり。
パスポートが見当たらないのでなくしたと思ったら、別のところに入れてあったとか。
オダ君は日本では緻密な敏腕編集者だったのだが、
こっちに来てからは打って変わって「ダメな観光客」になっている。
彼の悲鳴を聞くのが最近の日課だ。
さて、まず今日の感激は雪に覆われたアララット山が雲ひとつない紺碧の空にくっきりとそびえているのを見たことだ。
この偉大なる山の近くからユーフラテス河ははじまる。
…と思ったら、それはなんとユーフラテスでなかったことが判明した。
いやあ、びっくりだ。
ちがったのか。
地図をちゃんと見てなかった。
オダ君どころでない間抜けぶりで、他の三人は唖然としていたが、まあ、いいかということで
そのまま旅を続けることにした。
落とし穴はどこにでもあるもんね。
関連記事
-
-
エンタメ・ノンフの横綱はこの人!
今月号の「本の雑誌」のコラムで、高橋秀実『素晴らしきラジオ体操』(小学館文庫)を紹介した。 秀実さん
-
-
皇太子にアシストしたらベンツ
サッカーは特に好きでもないのに、サッカー本は好きだ。 とくに非西欧のサッカー事情はひじょうに食欲を
-
-
酔って記憶をなくします
野宿泥酔の翌日は二日酔いにもならず、心身とも妙に快調。 そして翌々日、つまり今日も絶好調。 身体か
-
-
絶滅動物の生き残り?
さて、マリンダはいったいなにものなのか。 既知の現生哺乳類にはこんな動物はいない。 ところが、過去に
-
-
ネアンデルタール人の冬眠性って…
ケリー・テイラー=ルイス著『シャクルトンに消された男たち』(文藝春秋)の書評を書く。 前に書いた
-
-
アラブ音楽の決定版CD
仕事場である辺境ドトールでバイトしている女の子が念願の音大に合格したというので、 お祝いに「ベリー
- PREV :
- ありえねー!
- NEXT :
- こんなに素晴らしいところだったのか



Comment
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322)
実はユーフラテスでなかった…。 大笑いしました。
まるで『ドリトル先生航海記』
はやく単行本で読みたいなあ。期待してます。