*

旅のトリビア「たびとり」

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

突然だが、フジテレビの「トリビアの泉」という番組をご存知だろう。
何の役にも立たないが、面白い(というか笑える)知識を読者が教えるというやつだ。
私はテレビ自体をたまにしか見ないため、この番組も数回しか見たことがないが、けっこう楽しませてもらっている。
中にはさほど大したことのないネタもあり、「オレも投稿してやろうか」などと思ったこともあるが、難点に気づいた。
私のネタは圧倒的に海外ものが多い。
「トリビアの泉」はネタそのものより、それを映像でどうやっておもしろおかしく伝えるかが肝である。
海外ものはロケに時間と経費がかかりすぎる。
たぶん、ボツになってしまうだろう。
というより、どうして私がフジテレビのためにせっせと協力しなければならないのか。
そこで、かつて一世を風靡し、あっという間に消えた旅の川柳「たびせん」に続く第二弾として、
「旅のトリビアの泉」略して「たびとり」なるものをこのブログ上でやってみたい。
このブログをチェックしている人なら、国内外を問わず、いろんなネタを持っていることだろう。
「旅」と銘打ってみたが、もちろん面白ければ、旅と関係なくても全然かまわない。
では、まず、私のネタから。
・バンコクのドンムアン国際空港には、滑走路のすぐ横にゴルフ場がある。
・マンガ「沈黙の艦隊」では、領土を持たない国家が出現するが、アフリカのチャドには「領土を持たない州」が実在する。
(ノノさんは知ってますよね)
・タイでは、あらまった状況で若い女性が自分のことを「ねずみ」と呼ぶ。
・イギリスでは、獣姦が法律で禁じられている。
・トルコでは、床屋が客の耳をライターの火であぶる。
・ブラジルでは「25」という数字が「スケベ」と考えられている。
・古代ギリシアでは、高級娼婦がアナル・セックスのサービスに力を入れていた。
・化粧品や健康食品のメーカーとして有名な「DHC」は、「大学翻訳センター」の略である。
・コーランには、「天国ではいくらでも処女といたすことができ、酒が飲み放題だ」と記されている。
・世界最長の川は、ナイル川ではなくアマゾン川の可能性がある。
もっといろいろあったような気がするが、今思い出せるのはこれだけだ。
しかも、旅と無関係なネタばかりだし、きわどいネタも多い…。
まあ、いいか。
上のネタをご存知の方は私に代わって説明してほしい。あるいは間違っていたら、訂正してほしい。
勝手にあれこれ推測するのも可。
というわけで、みなさん、ふるってご応募ください。
ネタのあとに、ちゃんと説明を入れてくださいね。
「たびせん」のときと同様、出色のネタについては、最優秀賞ほか各賞を認定するつもりです。(「ゴリラの脳」とか「チンパンジーの脳」とか)

関連記事

英国人の見たSMAP

内澤旬子さんと「日本の食」について話してほしいという依頼があり、 「そんなもん、俺に語れるのか

記事を読む

no image

乱世をテキトーに生き抜く奥義!!

土曜日、ドンガラさん原作の映画「ジョニー・マッド・ドッグ」の試写会に内澤旬子さんと一緒に行こうとした

記事を読む

no image

何の詐欺だろう?

ここ1ヶ月で2回、実家の母親から「変な電話があった」という知らせがあった。 最初は「ヒデユキ」を名乗

記事を読む

no image

深谷陽というアジア風天才漫画家

日本にいる時間が残り少なくなってきたので、 駆け足で紹介。 先日行われたmixiのイベントに、純粋

記事を読む

no image

美味すぎる差し入れ

読者の方よりお酒をいただいた。 身内の方が、千葉県香取郡神崎町にある超老舗(江戸時代初期創業だそう

記事を読む

no image

「自分の枠」と「屠畜感覚」

先日コダックフォトサロンで行った角田光代さんとの対談が 講談社の文庫情報誌「IN☆POCKET」に掲

記事を読む

no image

法隆寺の謎

武澤秀一『法隆寺の謎を解く』(ちくま新書)を読む。 インドの聖地を歩いて回った建築家が建築学と空間

記事を読む

no image

なぜか、まだ日本にいる…

なぜか、まだ日本にいる。 ミャンマー取材の許可がまだ取れず、出発が伸び伸びになっているのだ。 本来な

記事を読む

no image

ソマリランドに行く予定

15日の金曜日から、いよいよソマリランドに行きます。 今年になってから二度、「行く」と宣言しておいて

記事を読む

no image

ペルシア猫を誰も知らない

イランのクルド人監督バフマン・ゴバディの『ペルシア猫を誰も知らない』を渋谷ユーロスペースで見た。

記事を読む

Comment

  1. ひとみ☆ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    あ!すごい!
    考えようっと。

  2. k2 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1)
    主人公の伊藤くんは、文化祭の展示物にモケーレの原寸大模型を展示することを提案するが、理解のない周りの人間から猛反対をうける。
    しかし!! 文化祭の話しがこじれるにつれ、彼は彼なりのやりかたで自分の夢「モケーレ・ムゲンベに会いたい!」という夢をなし遂げる。。。
    という話しです。
    この作品は、モケーレどころか、UMAという単語も知らない人に向けて作った作品ではありますが、みなさんのように、より専門的に日々UMAを追いかけ続ける方たちには、普通の人たち以上に感動していただけるのではないか!!
    と考えています。
    日時は
    11月3日(祝)〜11月6日(日)と
    奇しくも「Asian Heart Beat 謎の未確認生物探求的イベント」
    と日数が重なってしまっていますが、
    この芝居を見て、このイベントに参加して頂いても
    より、楽しんでいただけるのではないかと思っております。
    興味を持たれた方はURLの劇団HPに遊びにいらしてください。
    本公演の詳細を載せております。
    長々と書き込みをして申し訳ありませんでした。。

  3. k2 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1)
    上記の書き込みに不備があって申し訳ありません!!
    突然読まれた方はびっくりされたと思われます。
    今回、「モケーレ・ムベンベ」というタイトルで芝居をさせて頂きます。
    その詳細についての書き込みでした。。

  4. 白谷(しろや) より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.22; Mac_PowerPC)
    早速、考えてみました。
    まず、高野さんがあげたものは、いずれも初めて聞くことばかりでした。
    ナイル/アマゾンは水量、支流の関係で諸説あるのだろうか?
    さて、私が思い付いた「たびとり」は…以下、投稿…
    ・イギリスの鉄道の話。列車走行中に客が車両を移ると罰金(意外とキツくて、96年頃で15〜20ポンドだったと思う…私はしていないが)。
    ・獣姦禁止の国、イギリスでは60年代中頃までは同性愛も法律で禁じられていた。
    ・「自由」という日本語は、英語が日本に入って来てから、福沢諭吉が「LIBERTY」を訳す際に仏教用語を当てた言葉。それまで、現在使われている意味の「自由」(=FREEに近い)を表す日本語はなかった(ただし諸説有り)。
    ・ブラジルでは人さし指と親指で輪を作る「GOOD」のサインが、西洋でいう「中指をおっ立てる」のに近い人を軽蔑したサインとなる(なんでもその輪が肛門を意味し、「オマエは肛門みたいなヤツだ!」という意味になるらしい)。
    ・インド料理のカレー。この「カレー」という言葉は、本来、現地では「総菜」「おかず」を意味する。
    ・更にインド料理のカレー。インドでは調理中に様々な香辛料を混ぜ合わせて作るため、「カレー粉」なる調味料は存在しない。香辛料を予め固めてカレー粉を作ったのはイギリス人。故に日本料理と化して広まったカレーはインドから直の伝来でなくイギリス経由ということになる。(これは案外有名か)
    ・鳥は「辛さ」を感じない。故に生の唐辛子も他の野菜と同じ様に食べる。
    海外に行ったことが、ほとんどないので、こんな程度です。間違っていたらご指摘ください。失礼しました。

  5. タカノ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)
    獣姦禁止の国、イギリスでは60年代中頃までは同性愛も法律で禁じられていた
    すいません、間違えました。
    イギリスじゃなくてアイルランドでした。
    ちなみに、イギリスの昔の同性愛禁止と現在のアイルランドの獣姦禁止は意味合いがまったくちがうようです。
    前者はアナクロ、後者は進歩的(?)な法律です。
    獣姦禁止は「動物保護法」で禁じられているそうです。
    動物虐待にあたるんですね。
    これはチェンマイで、アイルランド人の弁護士から聞いた話です。

  6. ひとみ☆ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    中国では指で数をかぞえるときの数え方が日本と全然違う。
    ・・・全然つまんないかな。
    でもいろんな国の数の数え方を調べてみたくなった。

  7. 白谷(しろや) より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.22; Mac_PowerPC)
    少し訂正。
    ・「自由」という日本語は、英語が日本に入って来てから、福沢諭吉が「LIBERTY」を訳す際に仏教用語を当てた言葉。
    それまで、現在使われている意味の「自由」(=FREEに近い)を表す日本語はなかった(ただし諸説有り)。

    「それまで、「自由」は現在使われている意味(=FREEに近い)を表す熟語ではなかった(ただし諸説有り)。」
    でないと、イケマセンね。
    獣姦法律ネタに関連して、私の知り合い(イングランド人)は、ウエールズ人を馬鹿にする時に「石炭掘ってヒツジに欲情している人種」と言った。
    英国では自分の出身地以外の人を馬鹿にするときには、凄いセリフが飛び交っているのだけれど、英国に住む人が言うからキツイ冗談で済むのでしょう。(日本人には言えない)
    それから、法律で禁止するということは、それをする人がいるからだ。常人には理解不能です。
    ・数の数え方
    指を折って数える、握った指を開いていって数える、などあるのでしょうか? これも、知らないというより気にもとめませんでした。
    この常識の中の「気にもとめない」という方が、知った時の驚きは大きいと思います。

  8. タカノ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)
    >白谷さんのカレーについて少し補足を。
    ・インド料理のカレー。この「カレー」という言葉は、本来、現地では「総菜」「おかず」を意味する。
    ということですが、不思議なことにインド最大の共通語ヒンディー語には「カレー」もしくは「カリー」という言葉は見当たらない。
    そこでオリッサ州出身のインテリのインド人に聞いてみたところ、
    「オリッサの言葉・オリヤー語にはある。オリッサ州はベンガル州の隣だから、語彙も似ている。イギリス人はベンガル州のカルカッタに拠点を置いていたから、ベンガル語のカリーが取り入れられたのだろう」
    ということでした。
    「カレー」とはインド東部の言葉、つまり地域語なんですね。
    全国的には知られてないということです。
    ちなみに、カレーとは、
    「汁気があり、スパイスが効いていて、豆・野菜・肉などが煮込まれているもの」
    だそうです。
    サモサなどの惣菜は含まれません。
    >指を使った数え方
    私が知るかぎり、いちばんユニークなのは中国の数え方ですね。
    動きがダイナミックでおもしろい。
    ただし、6以上は指の動きに連続性がないので、外国人がとっさに使うのにはちときついです。
    それから、だいたいどの国でも、まず手を開き、親指から一つずつ内側に折って数えますね。
    日本のように拳を握ってから、人差し指をいきなりぴょーんと出して「1」とやる方式は記憶にないんですが、どこかにあるのかな?
    もっとも、日本式は見た目にわかりやすいので、どの世界でも絶対に通じますが。

  9. acne より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; FunWebProducts)
    指の数え方について
    タレントの出川哲郎は1,2,3の3の時に
    人差し指、中指、親指!と数える。

ひとみ☆ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑