*

神奈川の市長問題

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

ニッポン放送のラジオ番組「ドリームランナー」に出演(収録)する。
パーソナリティは横浜の中田市長。
ユニークな市長だとは聞いていたが、ラジオ番組のレギュラーまでもっているとは知らなかった。
私は自分でしゃべるのは好きでないが、アナウンサーの美しい発声を真横で聞けるのは嬉しい。
ちなみにディレクターは私の本を愛読しているとのこと。
最近、インタビューや取材、出演がめっきり増えたが、大部分は担当者が個人的に私の本が気に入っているというケースだ。
まあ、今話題の人とか流行っているとかでは全然ないから、それ以外に私を取材する理由は考えづらいのだが、それもまた嬉しいことである。
収録が終わってから思い出したのだが、早大探検部で私の一つ下の後輩で平井という奴がいて、今は逗子市の市長をやっていると聞いていた。
「あいつが市長だっていうんだから、神奈川の市長って誰でもなれるのかなって思っちゃいましたよ」と軽く冗談を言ったが、中田市長をふくめ、みんな困った顔をしていた。
市長ネタが困るのか、中田市長と平井市長は微妙な関係にあるのか、そもそも私のジョークがおもしろくないのか(やっぱ、これか)。
        ☆         ☆          ☆
夜、ミャンマー写真家の後藤さんから電話。
「(デモや弾圧は)どうやら収束したらしい」
一時不通になっていた電話、ネットもみんな復旧したとのこと。
このまま終わってしまうのだろうか。
犠牲者が増えてほしいとは思わないが、これで終わってしまうと、
今回の一件で、ミャンマーの人たちにとっていいことは何一つなかったことになる。
国のイメージは大幅ダウン、観光客は激減、欧米から経済制裁を受ける。
困るのは軍(=政府)よりも国民である。
最近比較的ゆるくなっていた軍の統制はまたきつくなり、民主化は遠のく。
まあ、僧侶の今後の動きもあるし、とりあえずは様子見と言うしかない。

関連記事

no image

野宿イベント

昔、上海の安宿で若い日本人旅行者に会ったことがある。 「前にどこかで会いましたよね?」と彼は言うが、

記事を読む

no image

見えないサッカー世界大会

昨夜、ギリシアより帰国。 行きも帰りも飛行機に乗っている時間(トランジット含む)が24時間を超えると

記事を読む

no image

イラクからブータンの週末

土曜日、新宿二丁目の「タイニイアリス」という小劇場に、イラクの劇団「ムスタヒール」を見に行く。 テー

記事を読む

no image

見知らぬ超名作

 日頃から世間とのタイムラグというかズレを感じているが、「フラガール」には本当に驚かされた。 「フ

記事を読む

no image

ここにも藤岡弘探検隊のファンが…

ひょんなことから、作家の古処誠二(こどころ・せいじ)と飯を食った。 つい最近まで私は古処さんのこと

記事を読む

no image

ロスト・シティZ

最近、突然読書量が増えたのは、仕事のあとや合間でなく、 始まる前に机に向かって本を読むようになった

記事を読む

no image

平凡妄想

『放っておいても明日は来る』(通称アスクル)を出版することが決まったとき、 まず思ったのは「ゲストの

記事を読む

no image

マンガ「ムベンベ」と単行本「しわゆめ」

 秋田書店へ行き、同社「ヤングチャンピオン」誌で、7月から連載開始の漫画「ムベンベ」の第一話・生原稿

記事を読む

no image

コンゴ・ジャーニー

友人の訃報があっても、日常は容赦なく動いている。       ☆       ☆       ☆

記事を読む

no image

ちづかマップ

ふとしたきっかけで、衿沢世衣子の「ちづかマップ」(太田出版)というマンガを読む。 昔の知り合いだが

記事を読む

Comment

  1. t..yamada より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    やはり、世間でも同じ現象が起きているのですね。
    何を隠そう私も、高野さんの本の愛読者で、関西方面のローカルテレビ局に
    勤めておりますが、一度、一緒に仕事をしたいと考えております。
    まあ、仕事にかこつけて面白い話を聞きたいだけだろうと言われると、弁明の余地があまりないのですが・・・
    余談ですが、私の母が先日、奥島先生と飲んでいて高野さんの話になったそうです。母と先生は同窓生らしく、彼女もまた「ムベンベ」を愛読しておりました。
    ところで、ミヤンマーですが、どうも家光一族が国外逃亡しそうな噂が国境近辺で流れております。行き先はラオスらしく、中国が手引きしているのではないかという憶測だそうです。
    さて、機会がありましたら仕事にかこつけて酒でもご一緒できれば幸いです。長々と失礼いたしました。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年11月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
PAGE TOP ↑