*

お祓いしたくなるほどの夏休み

公開日: : 高野秀行の【非】日常模様

 宮田部長、杉江さんと一緒に行った「エンタメノンフ文芸部シュノーケル分科会奄美合宿夏休みデラックス篇」は最高だった。

天気は島の人も感心するくらいよく、海は透明で、シュノーケリング初心者の私も存分に楽しむことができた。筋金入りの夏休み原理主義者にして世界中の海を潜ってきた宮田部長までも「ここほどすごい場所は数年ぶりだ。世界レベルでもそうないと思う」と唸るほどだった。

私にしても、何も目的を持たずに、気の置けない男友だちと旅行するなど、20年ぶりくらいである。着替えはその辺でフルチンだし、泳ぐのに疲れたらその辺の木陰で転がって寝てしまうし、シュノーケルからあがると今度は磯にいる海の生物を集めて、「マイ池」とか作って戦わせたり、水着姿の若い女の子を見かけるとみんなして気づかないふりして横目でじーっと眺めたりと、まるで小学生の夏休みそのまま。

 しかも本物の小学生とちがい、泳ぎ終われば、生ビールと奄美特産の黒糖焼酎が待っている。暮れゆく海と移り行く雲を眺めながら杯を傾ける。

私や杉江さんは「こんなにいいことだらけで大丈夫だろうか?」「お祓いしたほうがいいんじゃないか」と不安に駆られたほどだが、宮田さんはさすが部長、毅然として「まだまだこんなもんじゃ足りん!」と言い放ち、明日からは新潟の浜辺に遊びに行くという。いや、恐れ入りました。

  内澤さんにもお土産の焼酎(近々「幻の酒」になりそうだというやつ)を買ってきたことだし、今回の合宿の反省会も兼ね、久しぶりに本業(?)の文芸部の活動を再開したいと思う。

関連記事

no image

写楽 閉じた国の幻

今日は仕事場(ドトールコーヒー)に行ったにもかかわらず、 まったく仕事ができなかった。 島田荘司『

記事を読む

no image

ソマリ人とイスラエル人

火曜日、ずっと前からコンタクトをとろうとしていたソマリ人の人からメールが来て、 「今日の夕方4時に北

記事を読む

no image

昔の未来

夜、珍しくテレビをつけたらNHKでちょうどNHKスペシャルが始まるところだった。 時節柄だろう、オリ

記事を読む

no image

ブルガリアの秀吉

部屋を整理していたら、変なものを発見した。 先日ブルガリアの首都ソフィアの路上で買った古本。 吉川英

記事を読む

no image

イスラム二日酔い紀行

昨日は扶桑社に用事があって浜松町へ。 数年ぶりにブックストア談に行って、「イスラム飲酒紀行」を探す。

記事を読む

no image

明日、いや今日出発。

もう深夜2時。 まだ何も準備していないが、 明日というか今日の朝5:20に家を出なければならない。

記事を読む

no image

赤坂高級ホテルの夜

赤坂のANAインターコンチネンタルホテルのプールに行ってきた。 平日の午後3時過ぎでも入場料3000

記事を読む

no image

2012年に読んだ本ベスト10

毎年恒例の「私が今年読んだ本ベスト10」。私が読んだ本だから、今年出版のものとはかぎらない。 とは

記事を読む

no image

後輩・角幡唯介が開高健ノンフィクション賞を受賞!

猛暑がつづく中、また難民シェルターに行き、コソヴォ出身のアルバニア人に話を聞く。 おみやげに井浦伊

記事を読む

no image

ブータンは4月

2月にブータンに行く予定だったが、向こうの事情やこちらの事情などで 4月に延期になった。 それまでゆ

記事を読む

Comment

  1. コシチェイ より:

    いいな〜夏休み!しかも合宿!!おいどんも行きたかです…渓谷で流し素麺とかやりたい。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年11月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
PAGE TOP ↑