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「同志」タマキンさんに会う!

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

宮田珠己ことタマキング(逆か)と会う。
タマキンさんの『52%調子のいい旅』が幻冬舎文庫から出ることになり、
私は文庫解説を頼まれた。
「解説書くかわりにタマキンさんに会わせて!」と駄々をこねたら、
編集者の人がセッティングしてくれたのだ。
私はかなり年季の入ったタマキンガー(タマキン・ファンをそう呼ぶ)なので、
本人に会えて感激だった。
タマキンさんは、タイ人やベトナム人みたいな風貌の、痩せて、肌が浅黒い、飄然とした人だった。
東南アジアでは、ときどき、「なんだかわからないけどいい人」に出逢う。
親切なのは間違いないが、なぜ親切にしてくれるのかが判然としないという人。
タマキンさんは、そういう人を彷彿させた。
話し振りも淡々としていて、およそ本の調子とちがうのだが、ときどき、
「えーっ!?」と驚くようなこともさらりと語る。
 有名な大事故の現場にたまたま居合わせ、「衝撃で吹っ飛ばされて、尻餅をついたら空が青かったんですよねえ」とか。
めちゃめちゃ面白い。
 同じような仕事をしている人間としても、通じ合うものを(一方的に)強く感じ、
「同志にめぐり合えた!」という感慨を得た。
本当によい人と知遇をえることができた。
あとは、タマキンさんの方が迷惑がっていないことを祈るばかりだ。
   ☆       ☆         ☆
 ジュンク堂池袋店で開催される内澤旬子さんとのトークライブは、おかげさまで予約が満員になったとのことです。ありがとうございました。

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Comment

  1. くがーる より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 1.1.4322)
    高野さんとタマキング。
    私が狂おしく"はまった"物書きさんのベストワン・ツーなので、
    そのお二人が繋がっていることがとても嬉しいです。
    お二人のトークライブを是非やってください!
    何をおいても聴きに行きます!!

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    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
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