カーンとハーン
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最終更新日:2014/06/26
高野秀行の【非】日常模様
「すごくおもしろそう」と妻が買ってきたインド映画「マイネーム・イズ・ハーン」。
DVDの表紙を見た瞬間、私が「?」と思ったのは、主演がシャー・ルク・カーンなのに、タイトルは「ハーン」になっていること。英語では両方とも「Khan」。
ジンギスカンの「カン」と同じであり、ジンギス「ハーン」とも呼ぶことから、日本語ではどちらの表記も可能だというものの、片方がカーンでもう片方がハーンはおかしい。
往年の名レスラー、キラー・カーンとも同じ名前だが、これだって試合によってはキラー・ハーンになっていたら変だろう。
(途中からキラー・カンになったが)
私の興味はまっすぐそこにあり、映画を観た。もし観てもわからなかったら配給会社に電話して訊こうと思っていたのだが…なんと、カーンとハーンの表記問題はこの映画の核心部だったのだ。しかもそれは英語には現れない、日本語ならではの技だった!
英語のアルファベットは表音文字ではなく、日本語のカタカナこそ表音文字だからというのがその理由だ。
……なんて、言語オタクの私は感銘を受けたが、それ以外でもすごい作品。アメリカにおけるインド人特にムスリムが登場人物だが、こんなにもアメリカを身近に感じたことはない。ていうか、アメリカがインドに思えるほどだった。
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