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『猛き箱舟』をうっかり再読

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


いろんな仕事がたまっているのに、船戸与一の大作『猛き箱舟』を読んでしまった。
西サハラを舞台にしているのは確かだが、ポリサリオ解放戦線についてどのように
書いているか細かいところを確認しようと思い、その部分だけちょこっと見るつもりでページを開いたら、その瞬間、怒濤の船戸ワールドに呑み込まれ、ラストまで行ってしまったのだ。
1987年の作品だが、全盛期の船戸与一のパワーは凄まじい。
二十年以上たった今でもその魅力は寸毫も薄れていない。
未読の人はもちろん、既読の人にも再読をぜひお勧めしたい。

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Comment

  1. らっきーじゃっく より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)
     ちょうど今 「ワセダ三畳青春記」を読了したとことで、そのまま勢いで書き込みを(スイマセン) ムベンベ以来、読まさせていただいてます。
     どこが好きかというと 文章ですね。話のおもしろおかしさよりも、明晰さを感じさせる文章が好きで、読んでよかった、と思わされる。
    ところで、自分には物書きさんに対する幻想のようなものがあって、数冊 本を出している方が木造アパートに住んでいたっていうのに驚きました。
     今年の初めに、始めての海外旅行としてタイに行ってきました。予習として「極楽タイ暮らし」を読み返してました。屋台料理も買い、昆虫料理も食べてみました。蚕のさなぎは酒のつまみによさそう。タガメは揚げたてでやけどして、味はよくわからなかったです。羽が硬かくて食べにくかった。

  2. 太郎 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB5; .NET CLR 1.1.4322; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    「猛き箱舟」、「山猫の夏」良かったですね
    もう時代がああいう舞台を用意しなくなって来てるんでしょうか?
    船戸先生には今が熱い南アフリカやモザンビーク、アルジェリア等を
    舞台にしてもう一度、熱い作品を書いて欲しいな〜

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    • 今まで野村監督に特に興味がなかったんですが、加藤さんの本を読んで、すごく好きになりました。人間味にあふれた策士というところ、でも言うことは決して奇をてらわないとか。あと、やっぱりサッチー、スゴい(笑) https://t.co/FrRQVs2IX8 ReplyRetweetFavorite
    • あ、そうだったんですね。名監督の知られざる一面を描いているし、著者ご本人の青春記風でもあり、『嫌われた監督』を彷彿させました。落合夫人とサッチー夫人もよく似てるし(笑)いや、面白かったです。 https://t.co/66kmDl74FN ReplyRetweetFavorite
    • 先月から自分の単行本原稿が佳境に入り、読書が全くできなくなっていた。他人の文章が頭に入らない。なんだけど、今日一息ついたあとで、なぜか加藤弘士著『砂まみれの名将 野村克也の1140日』(新潮社)を一気読みしてしまった。あまりにも自分の仕事と関係がなかったのがよかったのかも。 ReplyRetweetFavorite
    • 単行本を一冊書くのはエベレスト登山にも似ている。頂上に近づけば近づくほど一歩進むのが辛くなる。でもようやく『イラク水滸伝』本文の最終稿を書き終えた。あとはエピローグと参考文献、写真のセレクト、地図の作成、ゲラ校正、専門家への確認……頂上までまだけっこうあるな…。 ReplyRetweetFavorite
    • 文庫1位が久生十蘭!そそられる!! https://t.co/OWK4Bvakwo ReplyRetweetFavorite
    • RT : 本当に良かった。 傍聴していた知人によれば、「著しく正義に反する」という強い表現で無罪が言い渡たされたとのこと。つまり、リンさんの孤立出産での死産を罪に問うこと自体が正義に反するとの判断。 これを機に、日本に暮らす全ての女性の妊娠・出産・選択の… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 崩れたとき生きるすべがなくなる。はずれたものを生息する余地をとっておくこと。中心と周縁。クリエイティビティはいかにして生まれるのかについては、秩序にあわない変なものを見つけ、探しにいく勇気、変なものをみつける臭覚のことなど。理系文系の枠を超… ReplyRetweetFavorite
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