*

南米の超古代文明!?

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


日本唯一、世界でも二人しかいない「カーニバル評論家」で、
『カーニバルの誘惑−−ラテンアメリカ祝祭紀行』(毎日新聞社)という著書もある白根全氏と会う。
白根さんは実はカーニバルだけでなく、
ラテンアメリカについて最も広く深く知る日本人として辺境業界では知られている。
じっくり話したのは今日が初めてだが、
キューバからアマゾンまで、
アンデスから砂漠まで
裏情報も含め、恐ろしいほど詳しい。
しかし、いちばん凄い話は、今ペルーの太平洋岸沿いに
ピラミッドなどの古代の遺跡がゴンゴン見つかっているという話。
白根さん自身、そのうちの一つの発掘調査にたずさわっているという。
なんとそれは炭素14法で測定すると、5500年前にも遡るというから驚きだ。
エジプト文明やメソポタミア文明に匹敵する古さだ。
しかもそれらのピラミッドや神殿は耐震構造になっていたことが判明したという。
不思議なことは他にもいろいろあり、
例えば武器や城壁、お堀など、戦争に関するものが全く見つかっていないこと、
さらには土器や石器も発見されていないということ。
いったいこの文明は何なのだろう。
「僕ら旧大陸の発想ではわからない、全く異質の進化をたどった文明があるとしか思えない」と白根さんは言う。
こ、これは超古代文明なのでは!?
…と、かつて超考古学者を志した私などは興奮して声が裏返りそうになった。
まだまだこの世界、未知がたくさんあると知っただけでも収穫の一日だった。

関連記事

no image

小説の強烈な引き

麻雀やカードゲームと同じように、読書も「引き」が強いときと弱いときがある。 引きが強いときには、て

記事を読む

no image

彼もエンタメノンフ?

意外に思われるかもしれないが、高橋源一郎の文芸評論が好きである。 今日も『大人にはわからない日本文

記事を読む

no image

魔術的リアリズムのブラジルサッカー

アレックス・ベロス『フチボウ—美しきブラジルの蹴球』(ソニーマガジンズ)は 実に面白い本だった。

記事を読む

no image

酒に呑まれる

エンタメノンフ文芸部分会(?)で 内澤旬子副部長と、上野界隈で飲む。 まずガード下の屋台街で、豚メイ

記事を読む

no image

エンタメ・ノンフ対談

『怪獣記』の販促で、カメラマンの森清と高田馬場・早稲田界隈の書店周りをする。 どこも『ワセダ三畳青春

記事を読む

no image

また未知動物

磯崎憲一郎の第二弾、『世紀の発見』(河出書房新社)。 帯の惹句によれば 「ガルシア=マルケス『百年

記事を読む

no image

形見の銃弾

 義父が昨年1月、義母が今月と、相次いで亡くなったため、 妻の実家は遺品の山である。  なにしろ8

記事を読む

no image

有名人ではありません

この一週間はインタビューが多い。 読売新聞、PL教の雑誌、そして今日は図書館教育ニュース。 最近では

記事を読む

no image

8年ぶりにアフリカ大陸

 セイシェルの取材を終え、次は旧ユーゴスラビアのセルビアに行くはずが、 急に気が変わって南アフリカ

記事を読む

no image

鍵は辺境にある!らしい

すごい本が出たものである。 内田樹『日本辺境論』(新潮新書)。 「日本人とは何ものか? 鍵は『辺境

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年12月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑