熊の爪跡
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様

「台風の爪跡」とか「戦争の爪跡」とか、
よく「爪跡」という言葉を目にするが、じゃあ、実際の爪跡はどうなのかというと、
意外にも見たことがなかった。
足跡ならいくらでもあるが、爪跡はない。
それが今回、山形の永幡さんの案内で
見ることができた。
大井沢という地域のブナ林の中に
熊の爪跡がくっきり残っていた。
熊はネコのように木に登るという。
中でもブナは新芽も実も熊の大好物とのことでよく爪跡がついている。
手(前足)は意外に小さく、私と同じくらいか。
五本指なので見かけはかわいらしくさえある。
でももちろん爪はものすごく鋭い。
こんな跡がくっきりつくくらいだ。
実際このあと、地元の大井沢博物館に行ったら熊の剥製があり、
爪はすごかった。
こんなので顔をちょこっとはたかれたりした日には
たいへんなことになるだろう。
まさに「爪跡」なのである。
関連記事
-
-
抱かれたい路上の男ナンバーワン
先日紹介した『TOKYO 0円ハウス0円生活』(大和書房)の著者・坂口恭平が その本に登場するスーパ
-
-
「ミャンマー」じゃなくて「バマー(ビルマ)」だった
昨日、高橋ゆりさんからメールが来た。彼女も『ハサミ男』に名探偵サンシャーの話が出てくることにびっくり
-
-
え、「謎と真実」?!
学研「ムー」別冊の、こんなムックでインタビューを受けてます。 なんだか、とても懐かしい気持ちになれる
-
-
東武東上線では東武動物公園には行けない!?
「アスクル」はAmazon.comで発売直後から長らく、「3〜6週間待て」と書かれていたが、 ようや
-
-
今まだそこにいるんだけど…
ソマリランドの首都ハルゲイサもそろそろ一週間。 ソマリ人との付き合いは二週間。 さすがに最近は慣
-
-
ハダカデバネズミのことはソマリ人に訊け?!
もうとっくに出発したと思ってらっしゃる方も多いだろうが、 実はまだいます。 やっと仕事が全部片付い
-
-
『メモリークエスト』見本とどく
初めてのことだが、2日連続で新刊の見本がとどく。 今度はお待ちかね、『メモリークエスト』。 カバー
-
-
うう、気持ちわるいのに…
土曜日は、「アスクル」仲間の二村さん(ゾウに追いかけられている人)と 金澤さん(道場破りでリクルー
-
-
ずいぶん前の話だけど
ずいぶん前の話だけど、早大探検部の先輩・西木正明の『流木』(徳間文庫)という本の「解説」を頼まれて、
-
-
おもしろくないことがおもしろい
キタ帰国の二日後、つまり6日から9日まで沖縄に行ってきた。 10年以上前、大連に短期留学をしたときさ


