*

驚異の山形勉強会

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


昨年に引き続き、山形大学医学部の先生主催による「勉強会」にお招きいただき、
週末は山形に行き、今さっき帰ってきた。
「勉強会」といっても、DNAの研究者から
ウンコ写真家、アライグマ駆除業者、現役のマタギまで
自然に関わるありとあらゆる分野の人たちが二十名近く集合。
一泊二日でろくに寝ないで、酒を飲みながらしゃべりまくる。
これだけの人材が一堂に会す機会は私は他に知らない。
しかもほとんどの人がその道の第一人者でありつつ、
世間的には自他ともに認める「非主流派」だ。
ところで、私を直接呼んでくれたのは永幡嘉之さんという昆虫研究家・科学ライターで、
極東ロシアでレアな昆虫を探して森をさまよったりしている人だが、
「今月初めての本を出しました」と一冊くれた。
『白畑孝太郎 ある野の昆虫学者の生涯』という、警察官をしながら昆虫研究に人生を捧げた人の評伝。
版元は秋田の出版社、「無明舎」。
そう、この前出た杉江さんの『「本の雑誌」炎の営業日誌』と同じなのだ。
知人友人が初めて本を出すというのも滅多にないことなのに、
同じ月に立て続けに全く無関係の二人がなぜそろって無明舎から本を出すんだろう。
しかも担当編集者まで同じなのだ。
そこからして驚きの週末だった。

関連記事

no image

知らぬが大福

先週の火曜日、本の雑誌の杉江さんがうちに来て打ち合わせ。 妻が不在なので心おきなく杉江さんと談笑、特

記事を読む

no image

愛と追憶の帰国

別にタイトルに深い意味はない。いつものように普通に帰国しただけである。 といっても、今回の旅は

記事を読む

no image

出発前のわやくちゃ状態に突入

いつも海外旅に出発前2週間を切るとにはわやくちゃ状態になる。 今回ももうとっくにそれが始まっている

記事を読む

no image

逃亡先としての「辺境」

知人に勧められて、乃南アサの『涙』(新潮文庫)を読んだ。 1964年、東京オリンピックの最中に殺人

記事を読む

no image

10年遊んで暮らした人の話

私が解説を書かせていただいた川上健一『ビトウィン』(集英社文庫)が 発売された(たぶん)。 本来い

記事を読む

no image

だから「吸うな」「飲むな」

 金曜日、アメリカで日本の小説やノンフィクションを翻訳出版しているバーティカルという出版社に売り込

記事を読む

no image

8年ぶりにアフリカ大陸

 セイシェルの取材を終え、次は旧ユーゴスラビアのセルビアに行くはずが、 急に気が変わって南アフリカ

記事を読む

no image

酒にふりまわされる人生

この十数年で飲んだ大量の酒がついに体の飽和量に達してしまったのか、 まったく酒を飲む気にならず、なん

記事を読む

no image

船戸与一は不死身

日本冒険小説協会の内藤陳会長が昨年末に亡くなり、その追悼イベント 「内藤陳帰天大宴会」というものが行

記事を読む

no image

また未知動物

磯崎憲一郎の第二弾、『世紀の発見』(河出書房新社)。 帯の惹句によれば 「ガルシア=マルケス『百年

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年5月
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031  
PAGE TOP ↑