藤岡弘はキリヤマ隊長か
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
子供のころ夢中になっていたウルトラセブンを見たくなり、DVDを購入、第5話から第8話まで見たが、あまりの実験映画ぶりに驚く。
なんせ、ヒーローものなのに、筋が込み入っているし、映像の撮り方が凝りすぎていて、
ちゃんと見ていてもストーリーを見失いそうになるのだ。
セブンが活躍しないのにも瞠目する。
宇宙の脱走囚であるキュラソ星人のときはセブンの登場時間はたった5秒。
しかも自ら攻撃せず、キュラソ星人が自爆するのを見守るだけ。
ペガッサ星人もよかった。
セブンのアイスラッガーを交わして、ペガッサ星人は公園からタカタカ走って逃げる。
そしてそれっきり姿を消してしまう。
つまり、今でも地球のどこかにペガッサ星人は潜んでいるのだ。
大胆なストーリーと映像のかたわら、もう一つ発見したのは
ウルトラ警備隊のキリヤマ隊長の演技と藤岡弘隊長の演技が酷似していること。
ともに軍隊の指揮官のようでいながら部下の心を思いやる、妙にウェットで、家族的な部分が色濃い。
藤岡弘探検隊(もともとは川口浩探検隊)はどうもウルトラシリーズがヒントになっているような気がしてならない。
ってことは、ウルトラセブンが30〜40年かけて仮面ライダーになってしまったということでもあるのだが。
関連記事
-
-
『アジア新聞屋台村』続編?
以前、アジア各国の新聞を発行しているエイジアンという不思議な新聞社で働いていたことがあり、その顛末を
-
-
あのUMAサイトが本に!
私がウモッカを知った伝説のウェブサイト「謎の未確認生物UMA」がムックとして登場。 管理人「さくだい
-
-
プレステの取材を受けた途端こうなった
火曜日、プレイステーション関係の媒体にインタビューを受けた。 インタビュアー(編集者)の人にいつ頃出
-
-
角幡唯介はノンフィクション界の村上龍
昨日は東北から帰った直後だったせいか、いつになく「正論」を述べてしまった。 現地に一週間ほど行って「
-
-
オタクの底力を感じさせる『タイ・演歌の王国』
タイ女性と結婚し、バンコクに十数年暮らしている友人Aさんが、「高野さん、この本、すごく面白いよ
-
-
「自分の枠」と「屠畜感覚」
先日コダックフォトサロンで行った角田光代さんとの対談が 講談社の文庫情報誌「IN☆POCKET」に掲
-
-
ジャナワール・トークライヴ
コダックフォトサロンで開催されている、カメラマン森清の個展会場で、 角田光代さんとトークライヴを行う
-
-
NHKの仕事でまたミャンマー
(撮影:森清、『西南シルクロードは密林に消える』より) ※こんな映像が撮れればいいのだが…
- PREV :
- 判断能力の急激な低下
- NEXT :
- カン様と韓国