*

15年前のドンガラさんと私

公開日: : 最終更新日:2013/09/02 高野秀行の【非】日常模様

2013.06.13dongala-mukashi
二十代の頃からずっとお世話になっている翻訳家の浅尾敦則さんからこんな写真が送られてきて仰天した。

なんと、15年前、ドンガラさんが来日したときの写真なのだ。
私の若いこと! なぜかこのときはヒゲを生やしてなかったらしいが、それにしてもだ。

ドンガラさんも若い!と言いたいが黒くてよくわからない。
でもすごく若そうである。
(ちなみに、私の左にいるのが浅尾さん。やはりすっごく若い!)

2013.06.13ikokutokyo実はこの場面は『異国トーキョー漂流記』(集英社文庫)に書いているのだ。

P.112
翻訳専門誌のインタビューも受けた。
インタビュアーが最後に、一風変わった質問をした。彼が色を表す単語をあげ、
ドンガラさんが自分の連想するイメージを即興で語るというものだ。他は忘れたが、
「黒」が「充満」で、「白」が「空虚」という答えが印象的であった。

……まさにこの場面なのである。インタビュアーは浅尾さんだった。
さすが浅尾さん、面白い質問をしたものだ。
ちなみに、この部屋は昔私が連載をしていた「翻訳の世界」という翻訳専門誌の編集部。
もちろん今はない。

異国トーキョーにはドンガラさんの天然エピソードがてんこ盛りだ。
アブディンが私の本に初登場したのも本書だし、ご興味のある方はぜひどうぞ。

関連記事

no image

これが例の葉っぱ

ソマリランドに「帰国」してもう10日近く経つ。 「帰国」なんて言葉を使ったのが行けなかったのか、今

記事を読む

no image

タマキングの気づかい

三省堂神保町本店で宮田珠己ことタマキングとトークショーを行う。 驚いたのはタマキングが「Tシャツを2

記事を読む

no image

思い出探しに来たわけじゃないけれど

現在、チェンマイに滞在中。 バンコクにいると、どうしても「これがタイだ」と思ってしまう

記事を読む

no image

民族問題とイスラムはダメなのか

こんな写真が出てきた。 うちには至る所に本があるが、ダルマはそれをいたずらすることは滅多になかった

記事を読む

no image

ありえねー!

しょっぱなから全く予期しない出来事が起きた。 人為的原因により、ワン行きの飛行機に乗り損ねたのだ。

記事を読む

no image

再結成?

携帯が鳴り、着信記録を見ると「公衆電話」。 いったい誰かと思ったら、探検部の後輩で、ワセダの三畳時代

記事を読む

no image

今こそ難民認定と合コンを!

いまこの瞬間も地震で揺れている。 いつまで続くんだろう、というか地震の巣の上に住んでいるようなものだ

記事を読む

no image

こんな名著が!

たまたまネットで見つけた小島剛一『トルコのもう一つの顔』(中公新書)を読んだら、 あまりの面白さ、

記事を読む

no image

平凡妄想

『放っておいても明日は来る』(通称アスクル)を出版することが決まったとき、 まず思ったのは「ゲストの

記事を読む

no image

TBS「クレイジージャーニー」とすしざんまい

さきほど私が出演したTBS「クレイジージャーニー」が放映された。当初は「ムベンベ」「アヘン王国」「ソ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年7月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031  
PAGE TOP ↑