花と兵隊
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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
タイ・ミャンマー国境に今でも住んでいる元日本兵(未帰還兵)を撮った
ドキュメンタリー映画「花と兵隊」(松林要樹監督)を渋谷のイメージ・フォーラムで見た。
撮影当時20代の若者だった監督の志は買うが、
正直言って、金を払って見に行くほどのものとは思えない。
驚きがなく、退屈だった。
せっかく若い監督が、自分の祖父と同じ年くらいの元日本兵と対峙しているのだから
その心の揺れや、戸惑い、決意などを描いてほしいところなのに、
結局、いつもの日本ドキュメンタリーと同じように
「あるがままの様子を淡々と撮る芸術映画」に終始していた。
いろんな意味でもったいない。
社会派ならつまらなくてもよしとするドキュメンタリーの風潮はどうにかならないものか。
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