*

花と兵隊

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

タイ・ミャンマー国境に今でも住んでいる元日本兵(未帰還兵)を撮った
ドキュメンタリー映画「花と兵隊」(松林要樹監督)を渋谷のイメージ・フォーラムで見た。
撮影当時20代の若者だった監督の志は買うが、
正直言って、金を払って見に行くほどのものとは思えない。
驚きがなく、退屈だった。
せっかく若い監督が、自分の祖父と同じ年くらいの元日本兵と対峙しているのだから
その心の揺れや、戸惑い、決意などを描いてほしいところなのに、
結局、いつもの日本ドキュメンタリーと同じように
「あるがままの様子を淡々と撮る芸術映画」に終始していた。
いろんな意味でもったいない。
社会派ならつまらなくてもよしとするドキュメンタリーの風潮はどうにかならないものか。

関連記事

no image

私の2006年上半期ベスト本はこれだ!

先月のことだが、「本の雑誌」編集部から、「高野さんの個人的な2006年上半期ベスト1を教えてほしい」

記事を読む

no image

怪物は江川と鶴田だけ

松井優史『真実の一球 怪物・江川卓はなぜ史上最高と呼ばれるのか』(竹書房)という本を書店の店頭でぱ

記事を読む

no image

なぜか今、コソボ

突然だが、明日から約2週間、旧ユーゴスラビアのコソボに行くことになった。 といってもコソボだけ

記事を読む

no image

オモシロイ人

この前対談をした内澤旬子さんのブログに、 そのときのことが書かれている。 あと、半分ケモノ化した私の

記事を読む

no image

ソマリ語翻訳、承ります

ソマリ語と日本語の翻訳・通訳業務を行うことにした。 2年前、私が聞いたところでは、日本に住むソマリ人

記事を読む

no image

御礼申し上げます

堀内倫子さんのことを書いたら、ブログのアクセス数が跳ね上がって驚いた。 アクセスしたら自動的に私の

記事を読む

no image

あの湖が…!!!

Google Mapというのをご存知だろうか。 私は意外にも知っていたが、ミャンマーをちょこっと検索

記事を読む

no image

インド入国(たぶん)OK!

ほぼ三週間ぶりの更新だ。 ずいぶんといろいろなことがあった。 なかでも特筆することが二つある。両方と

記事を読む

no image

祝!第3回 酒飲み書店員大賞受賞

 私の敬愛するタマキングこと宮田珠己の『東南アジア四次元日記』(文春+文庫)が 第3回酒飲み書店員

記事を読む

no image

また見つかったらしい

友人に教えてもらって知ったのだが、インドネシアでまたシーラカンスが見つかったようだ。 漁師の手に抱

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑