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風呂と泥酔でリフレッシュを!

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


ヤマザキマリの傑作風呂漫画『テルマエ・ロマエ3』(ビームコミックス)
を読んだ。
第1巻には爆笑し、その後も繰り返し読んでいるが、正直言って2巻はネタ切れが明らかで
かなり苦しかった。
だから3巻はさらに苦しくなってシリーズ打ち切りかとも思ったのだが、
なんとしたことか、1巻並みのおもしろさに戻っている。
著者の古代ローマについての深い知識と風呂へのばかばかしいまでの愛情によるものだろう。
ぜひ見習いたい。

ばかばかしくて思い切り笑えるという意味では、
泥酔失敗体験談集『ますます酔って記憶をなくします』(新潮文庫)もひけをとらない。
こちらも前作『酔って記憶をなくします』がヒットしたため第2弾が生まれたわけだ。
「取引先の人にカンチョーして怒られる」
「パブで外人さんにチューして一万円もらう」
「『ダーッ!』と言いながら天然パーマの頭に箸を投げる」
などなど、
タイトルだけでもう笑ってしまう。
しかも投稿者の7割以上が女性というのもすごい。
実は私も今回、一般読者として投稿したのだが、なんと「トリ」を飾ってしまった。
これまでの人生でいちばん名誉なことだ。
…なんてわけないが、嬉しい。

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Comment

  1. プラム より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB6.6)
    他人様の本に投稿原稿がトリで載るなんて!
    本の越境サバイバル術でしょうか。他ジャンル読者獲得にもなりますね。
    大槻義彦氏へのUFO投稿希望。日本中に笑いを。
    私事ですが感想文が本プレゼントに当選でささやかに喜んでいたところ。
    ええっ!茂木健一郎さんと飲んでるんですね。対話ブログ大希望!!

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    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
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