『ルポ アフリカ資源大国』
公開日:
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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
ソマリアに行ったことのある日本人ジャーナリストはいないかと調べてみたら、
毎日新聞のアフリカ特派員だった(現在・政治部)白戸圭一という人がいた。
白戸氏は最近『ルポ アフリカ資源大国』(東洋経済新報社)という本を出しているが、
書評でもあちこちで取り上げられ、8月発売ですでに3刷りと売れている。
気鋭のアフリカ・ジャーナリストだ。
その白戸さんと会ったのだが、彼はなんと「高野さんとは20年前に会ったことがある」と言う。
実は彼は立命館大学探検部出身で、私より4歳下。
私の「ムベンベ」を読んでそのあまりのバカバカしさに驚き、
上京して私に会いに来たのだという。
この辺のことは言われると「ああ、そんなこともあったような…」程度しか憶えていない。
私のアパートに行き、それから私の後輩たちと一緒に新宿の伝説のボロ喫茶店「カトレア」に行った。
「いちばん奥の席に行こうって高野さんが言ったんですよ。
『そうしたら、注文取りに来ないから』って。
で、みんなで水だけ飲んでた」
ひどい話だ。
もっとも奥にいると注文を取りに行かない店のスタッフもひどいが。
白戸氏はその後、アフリカのニジェールに行った。
本人は怪獣を探しに行きたかったが、周囲の反対で民族調査になったとか。
それが今や、伊藤正孝、松本仁一(以上、朝日新聞)、藤原章生(毎日新聞)とつづく
アフリカ・ジャーナリズムの後継者となっている。
話も面白かったが、本も面白い。
ぜひ読まれたし。
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ソマリアではありませんが、フォトジャーナリスト桃井和馬氏はかなり優秀なアフリカジャーナリストです。「観光コースでないアフリカ大陸西海岸」では、独裁軍事政権下のギニアやアンゴラなどのルポがあります。
同じくフォトジャーナリストの亀山亮氏の「アフリカ忘れ去られた戦争」では、シエラレオネ、アンゴラ、リベリアの内戦による被害者のフォトルポがあります。
朝日新聞から国連顧問を経て駐ザンビア日本大使をやっていた石弘之氏も、鋭いルポを書いています。立場が立場なので、ジャーナリストとは言い難いですが。
海外ジャーナリストの邦訳では、ロバート・ゲスト「アフリカ苦悩する大陸」と、ヴィジャイ・マハジャン「「アフリカ動き出す9億人市場」は、どちらも発展し輝ける未来を作ろうと頑張っているアフリカの人々をルポしています。
ルポではありませんが、写真家の船尾治氏が4年間のアフリカ放浪を綴った「アフリカ南部編・赤道編」は読み応えがあります。
モザンビークに単身渡って商売初めてもうたいへん、という話が遠藤昭夫氏の「モザンビークの青い空」で、これはルポではなく単なる苦労話ですが、興味深い話がたくさん書かれています。
ご存じだったらすみません。
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フォト・ジャーナリストの谷本美加さんが「ソマリランド」に行っています。『ソマリア、心の傷あと』(草の根出版会 2003年)を出版。
また、米国在住のフォト・ジャーナリスト、高橋邦典さんは、2008年にモガディシュを入ったときの写真をウェブサイトで掲載しています。
http://www.kunitakahashi.com/somalia.html
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ご教示いただき、ありがとうございます。
どうでもいいことですが、桃井和馬氏はやはり探検部出身者で
(大学は不明)、以前、拙著『辺境の旅はゾウにかぎる』を北海道新聞の書評でとりあげてくれたことがあります。
テーマは「探検部出身者はなぜこういう無意味なことをするのか」というようなものでした。
また桃井さん、石弘之さん、船尾さんはみな、
私の親分ともいえる四万十の山田高司先輩(農大探検部OB)と近しい間柄です。
私も船尾さんとは、カラチかマスカットかの空港でばったり会ったことがあります。
谷本美佳さんと亀山亮さんのお二人は知りませんでした。
チェックしてみます。