名犬ロンドン
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様

名犬ロンドンのDVDが届いた。
1963年にカナダで作られたテレビドラマシリーズで、一回30分。
字幕なしでわかるかちょっと心配だったが、英語は何もわからなくても理解できるインド映画並みのシンプルなストーリーだった。
北米を放浪するシェパードが、行く先々で困った人々をさりげなく助け、
「事件」が解決されるとまたふらりと去っていく。
例えば;
-売れない歌手の売り込みを手伝う
-医学生の復学に一役買う
-不良少年と孤独な老婦人の仲介役になる
-臆病者の青年がお尋ね者を捕まえるのを手伝う
-キューバから密航してきた少年を救出する
-自由を夢見る男に現実を突きつけて目を覚まさせる
どうして、犬がこんなことをするんだ!?と思うが、
それについてはまったく説明されない。
エンタメのお約束の中で動いているのに、実に不思議でアナーキーな犬ドラマだ。
だいたい、犬は飼い主との友情や愛情で動くという犬ドラマのセオリーを完全に無視している。
ミステリもそうだが、ほんとうに破天荒なアイデアはジャンルの創生期に生まれるのかもしれない。
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主題歌が聞きたい・・・。
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帰巣本能の強い犬がさすらっているという発想がすごいですね。
主題歌、是非聴いてみてください。おすすめは小坂一也ヴァージョンです。
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純さん 自分で吹いてアップしてください!
僕は聞きたいですよ尺八による主題歌。
Littlest HoboのHoboってアメリカの鉄道を無賃乗車で
さすらう人なんかを指す言葉ですよね?
ちょっとアウトローの「北国の帝王」のリー・マービンみたいな。
だとするとタイトルもいいですねー。
それともこのシリーズが語源なんでしょうか。
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hoboは広島弁から来ていると船戸与一氏に聞いたことがあります。
戦前にアメリカに移民や出稼ぎでわたった広島県人が
「どこに行くのか」ときかれて、「方々」(あっちこっち)と答えたからというもの。
ランダムハウス英和大辞典によると、
1.浮浪者、ルンペン
2.渡り労働者(貨物列車にただ乗りして季節労働者として働く者を指す)
とあり、動詞として「浮浪の旅をする」とも使われるそうです。
そして、ちゃんと
「米国の俗説では日本語の「方々」から」とあります。
船戸さんの話は出任せじゃないのかと少し驚きました。
ま、俗説ですけどね。
でもまたロンドンが列車に乗っている場面は見ていません。
主題歌には列車の音っぽいものが入っているのだけど。
これから出てくるのかなあ。