*

八王子の人間だから

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


火曜日に集英社の会議室で角幡唯介と対談したが、
三日後の金曜日、まったく同じところで今度は中島京子さんと対談した。
直木賞受賞と『平成大家族』(集英社文庫)発売を記念してのもの。
相手がサークルの後輩から直木賞作家に変わったわけで、
そのギャップに戸惑う。
ご存じのとおり、私は中島さんの熱心なファンであり、ずっと前から「早く国民的作家になってほしい」と思っているから、直木賞受賞についても「よし。その調子」というくらいの気持ちだ。
本人にそう言ったら、「そんなことを言ってくれてるのは姉と高野さんだけ」と笑っていた。
(中島さんのお姉さんとは『パリの女は産んでいる』で有名なエッセイストの中島さおりさん)
意外なことに中島さんは私の本もいくつか読んでくれていて(対談の準備のためかもしれないが)、「比喩がほんとにうまい」と褒めていただいた。
比喩がうまいなんて、今まで誰にも言われたことがないので、たいへん嬉しい。
もっとも「かっこいい比喩が一つもないのは八王子の人間らしい」とも言われた。
かっこよくするより、つい笑いに走ってしまうのは八王子の人間の性らしい。
八王子出身で、高校時代は落語研究会で部長をしていたという中島さんはそう断言するのであった。

関連記事

no image

女帝の出版記念パーティ

滅多に人の出版記念パーティには行かない(呼ばれないともいえる)のだが、 土曜日は特別。 「日本ビル

記事を読む

第3回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞しました

ほとんどの人は梅棹忠夫・山と探検文学賞なる賞を知らないと思う。 かくいう私も、角幡唯介『空白の五マ

記事を読む

no image

今明かされる「野々村荘秘話」

  新国劇の島田正吾が亡くなった。  「新国劇」など、私には何の関わりもないと思うだろうが、多少の縁

記事を読む

no image

ひそやかに『謎の独立国家ソマリランド』完成

2月18日発売の新刊『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』(本の

記事を読む

no image

山口晃「親鸞」書籍化を熱望!

『ヘンな日本美術史』(祥伝社)を読んで以来、山口晃に嵌ってしまったとブログやツイッターに書いたと

記事を読む

no image

怪獣奇書、出版したい人は手をあげて!

昨日、トルコの怪獣についての奇書を紹介したら 「その本が読みたい」というコメントがあった。 私も実は

記事を読む

no image

中島京子さんとの対談@web集英社文庫

四国での講演会ツアーから戻る。 web集英社文庫で中島京子さんとの対談がアップされていた。 http

記事を読む

no image

豚追い人

バングラ北部への旅の途中、すごく変なものを見た。 ヤギか牛を追うように、棒をもって群れを追い立てて

記事を読む

no image

サッカーファンになる予定なのに…

着実にサッカーファンに向かって前進しているはずなのだが、 吉祥寺の書店でターザン山本『「金権編集長

記事を読む

本の雑誌はみんなの実家なのか

ツイッターでつぶやいたので重複するようだが、昨日久しぶりに本の雑誌を読んだ。  いつも買おうと思い

記事を読む

Comment

  1. タツ より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X 10_6_4; ja-jp) AppleWebKit/533.17.8 (KHTML, like Gecko) Version/5.0.1 Safari/533.17.8
    こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいております。
    自分は高野さんの影響でナカキョー好きになりました。といっても日は浅く、小さいおうちからの入門ですが。
    しかし読んでみた直木賞受賞作はあまりに面白くてその後一気にアマゾンでめぼしい著作を大人買いしました。
    「FUTON」始め「イトウの恋」その他も最高に面白かったです。
    今回ご紹介のタイトルと「均ちゃんの失踪」のみがまだ手元に届いていませんが。
    いつもどんな本を買うか自分では決められないことが多いので、本当に助かります。
    あまりにマニアックなもの意外は(笑)これからも参考にさせて頂きます。
    あとよく聞きますけど八王子ご出身の方はいい意味で連帯意識が強いというのは本当なんですね!

  2. 小林 純 より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X 10_5_8; ja-jp) AppleWebKit/533.16 (KHTML, like Gecko) Version/5.0 Safari/533.16
    かっこよくするより、つい笑いに走ってしまう。
    われわれも同じです。(一大阪人)

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

PREV :
聖なき巡礼
NEXT :
勇午
no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年6月
    « 3月    
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
PAGE TOP ↑