*

世界の巨乳に夢を見ろ?!

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

 
 珍しく午前中に家を出て、東西線で移動中、突然便意を催した。
 九段下の駅の便所に駆け込んだところ、ボックスの中にエロ雑誌が4冊積まれていた。
 便所のボックスにエロ雑誌・新聞は珍しくないが、4冊というのは初めてだ。
 しかも、まだ午前11時前。朝から元気な方がいらっしゃるようだ。
 しゃがみながらその4冊をチェックしたところ、うち3冊は全部巨乳専門のエロ雑誌。 そして、いちばん下にあった雑誌を見て、私は唖然とした。
「ヤングチャンピオン」じゃないか! 
 申し遅れたが、私はこの雑誌に半年ほど前から、「世界のシワに夢を見ろ!」という謎の辺境コラムを連載している。
 ヤン・チャンは毎度巨乳のねえちゃんがどかどか登場しているとは思っていたが、この雑誌の購入者兼「使用者」にとっては純然たる「巨乳エロ雑誌」だったようだ。
 これじゃ、「世界の巨乳に夢を見ろ!」だ。
 なんとなく、ペラペラっとページをめくり、自分の連載を眺めた。
「花の都パリでマラリヤにかかって苦しむ」という話で、この官能雑誌においてえらく場違いだ。
 もちろん、九段下の駅便所でウンコしながら読むにも場違いで、ほんと、オレいったい何やってんだろう…。

関連記事

no image

タマキングにカヌーを習う

先週の金曜日、またしてもタマキング(宮田珠己)と一緒に川へ出かけた。 私は来年初めにメコン川を二ヶ月

記事を読む

no image

芥川賞受賞の衝撃作

あまりに評判がいいので、磯崎憲一郎『終の住処』(新潮社)を読んでみたら、 衝撃を受けた。 こ、これ

記事を読む

no image

メモリークエスト発進!

突然だが、五月の連休明けから一ヵ月ほど海外へ行くことになった。 例の「メモリークエスト」の取材、とい

記事を読む

no image

山松ゆうきちがインドだ

旅行者業界を震撼させた山松ゆうきち『インドに馬鹿がやって来た』(日本文芸社)の、なんと続編が出版さ

記事を読む

no image

完璧な探検記

 わけあって、今さらながらアルフレッド・ランシング著『エンデュアランス号漂流』(新潮文庫)を読んだ

記事を読む

no image

世界陰謀の真実はビニール傘にあるのか

某出版社で編集をしている探検部の後輩・杉山の紹介で、丸山ゴンザレスという異端作家と新宿の客家

記事を読む

no image

目指すはドリトル先生

読者の方からご指摘があったが、今回の『メモリークエスト』のカバーは 「ドリトル先生」をイメージした

記事を読む

no image

2006年に読んだ本ベストテン(ノンフィクション部門)

小説につづいて、今度は2006年に読んだノンフィクションのベストテンです。 1.山本譲司『累犯障害者

記事を読む

仕事の邪魔になる本を是非!

帰国するなり、仕事と雑務が山積。 って、最近いつも同じことを書いている気がする。 ちょっと前

記事を読む

no image

アジアの匂い

2泊3日で、熊本と鹿児島の高校に講演に行ってきた。 今年が3回目。これまで群馬、新潟、香川、愛媛に行

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年11月
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
PAGE TOP ↑