凶悪犯罪者に見る人間の神秘
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
ブログを始めて困ったのは、自分がろくに仕事もしてないし、心身のトレーニングをすっかり怠っていることがモロバレになるということだ。
これじゃいかんということで、昨夜、東中野ポレポレへ映画「ライファーズ」を見に行った。
ポレポレ東中野はマイナーなドキュメンタリー映画(ドキュメンタリー自体がマイナーだから同語反復か)をよくやっているので、最近私のお気に入りである。
これは日本人監督がアメリカで撮影したドキュメンタリーだ。
ライファーズとは終身刑を受けた服役者のこと。
15年我慢していれば出てこれる日本の「終身刑」とはワケがちがう。
90%以上はもう二度とシャバの光は拝めないという人々の住みかは、まさに「秘境」であり、それを見れただけでも私は大満足だったが、内容も濃い。
登場するのは殺人、強盗、誘拐など、凶悪犯罪を犯してきた人間ばかりなのだが、映像で見るかぎり、みんな、笑顔が素敵な「いい人」であった。
しかも、彼らの中には「憎悪で犯罪に走っても何の解決にもならない」と他の受刑者にアドバイスし、尊敬されている人もいるのだ。
人間の神秘すら感じる。
こればっかりはコトバで説明してもしきれず、まさに映像ならではの説得力なので、みなさん、実際に見てくださいと言いたいのだが、残念ながら昨日で終わってしまった。
こういうドキュメンタリーはツタヤに置かれないしなあ。
すみません。これからはもっと早く見に行きます。
関連記事
-
『怪獣記』がいよいよ…
トルコの怪獣ジャナワール探しの本がようやく手を離れた。 写真にカラーとモノクロがあり、しかも章ごと
-
Resort in Somalia
nannichika Berbera toiu minato-machi ni ittekita.
-
友人がちゃんと難民になる
フランスへ逃れてから難民申請をしていたルワンダ人の友人から 「やっと正式な難民認定を受けた」という喜
-
ラッシャー木村はツイていた
一昨日、夜ケーブルテレビでナイターを見ようとしたら、 たまたまNOAHの試合がやっていた。 しかも「
-
タイ人による驚くべき被災地支援
在日タイ人の被災情報がないかと成田のタイ人ワット・パックナムに行ってみた。 同行者は後輩のKとU。
-
「占い」と「UFO」収録
雪の東京へ出て大阪のスタジオ収録へ。 箱根を越えたら雪などまったく降ってないのでちょっと驚く。 今回
-
『バウルを探して』が新田次郎文学賞を受賞!!
川内有緒『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』(幻冬舎)が 第33回新田次郎文学賞を受
- PREV :
- 世界の巨乳に夢を見ろ?!
- NEXT :
- 太平洋もインド洋も波高し