帰国しました
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様
昨日(3日)の午後、無事に帰国した。
二ヶ月ぶりの日本の印象は、「こぢんまりしている」。
成田空港はバンコクのスワンナプーム空港の3分の1か5分の1程度の規模だし、新宿もサイアムスクウェア周辺と比べたら
ビルが小さいし、道路も狭い。
静かでもある。
タイ人は決してうるさい人たちではないが、バイクとトゥクトゥクが多いせいか、あるいはトラックにディーゼルがまだ多いせいか
街中がひじょうにやかましい。
日本はとても静かだ。
全体的にヨーロッパの小国みたいな感じがした。
さて、当然のように、大量の郵便物や宅配物資が届いていた。
これを開封するのが帰国最初の醍醐味だ。
真っ先に取り上げてページをくくったのは宮田部長の新刊『日本全国もっと津々浦々』(廣済堂出版)
去年、杉江さんと私と一緒に行った奄美大島行きの話を読んでみた。
私はもともと熱心なタマキンガー(タマキングファン)だから、宮田さんの本に自分が登場しただけですごく嬉しい。
意外だったのは、そのときの旅の話が全て事実に基づいて書かれていること。
あまりに面白可笑しく書かれているので、多少は事実をねじ曲げていたりするのかなと思っていたが、
私や杉江さんの喋ったことまで一つ一つ事実だ。
今さらながら、ちゃんとノンフィクションしているのだった。
とはいうものの、私があの旅を書いたら絶対にこうはならない。
アウトプットの方法がまったくちがうわけである。
そういうことも読んでいて楽しい。
あと、杉江さん、全然泳げないのによくシュノーケリングしていたな。
私たちも面倒くさいからそれに気づかないふりをしていたが……。
関連記事
-
エンタメ・ノンフ的映画の真髄
「パパは出張中」と「アンダーグラウンド」で史上唯一カンヌを2回制した映画監督エミール・クストリッツァ
-
あの素晴らしい旅行記をもう一度
なんとなく小島剛一著『トルコのもう一つの顔』(中公新書)を再読したが、 あらためて素晴らしい本だ。
-
バスク産ミャンマー経由のヤギチーズ
ミャンマー在住のKさんが、同じくミャンマー在住で一時帰国したYさんを通じて届けてくれた、 バスク産の
-
第3回梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞しました
ほとんどの人は梅棹忠夫・山と探検文学賞なる賞を知らないと思う。 かくいう私も、角幡唯介『空白の五マ
-
タイ北部最大の市場…なんてあったのか
全然知らなかったが、チェンマイ郊外にタイ北部最大の市場(七日市)があり、 友だちに連れて行って
-
中島京子さんとの対談@web集英社文庫
四国での講演会ツアーから戻る。 web集英社文庫で中島京子さんとの対談がアップされていた。 http
-
書店員の書いたプロレス&格闘技ミステリに感涙
大阪の書店でトークイベントを行ったとき、すごく変わった人に出会った。 書店員なのだが作家でもあ
-
「困ってる人」書籍化プロジェクトX
私がプロデュースしている大野更紗「困ってるひと」の連載もそろそろ最終回近い。 いよいよ書籍化の相談を
-
おすすめ文庫王国2010
この前のエンタメノンフ忘年会で杉江さんに「おすすめ文庫王国2010」をいただいたので それを読んで
- PREV :
- 『移民の宴』重版。ついでにお詫びと訂正
- NEXT :
- 携帯電話が故障中&ここ数年でベストのサッカー本