*

イルカ人間

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

巣鴨で行われた水泳のマスターズ大会に出場、クロール、バック(背泳ぎ)、ブレスト(平泳ぎ)の
3種目を泳ぐ。
超苦手だったバックが、なんとか普通の素人スイマーの域に近づいてきた。
まあ、この一年、バックを百キロくらい泳いでいるので
当然といえば当然か。
いっぽう、ほとんど練習をしなかったブレストはタイムが落ちていて、
練習は嘘をつかないなと感心する。
ちなみに、今大会ですごく面白かったのはフィンスイムのデモンストレーション。
フィンスイムとは、足にフィンをつけて泳ぐ競技だが、フィンはシュノーケリングや
ダイビングのものとちがう。
フィンスイムのフィンは2種類あって、一つはダイビングのフィンを少し大きくしたようなやつ。こっちはただスピードが多少上がるくらいでさしておもしろくない。
すごいのは一枚のでかい板みたいなやつ。
両足をその「板」につっこんで泳ぐ。
要はアザラシかマーメイドになったと思えばいい。
まず選手はフィンをつけ、一度水に入る。
それから苦労してスタート台にはいあがるが、そのよちよちした感じが
八景島シーパラダイスなどで見るアザラシそっくり。
そして、選手がスタート台から飛び込むと、もうすごい。
というか、すさまじい。
アザラシどころかイルカかと思うくらい。
潜水でドルフィンキックを打ちながら、びゅーんと25メートルプールを往復し、タイムはなんと14秒。
自分の目が信じられないほどで、会場の水泳名人たちも「おおっ!」とどよめいた。
今はまだ競技人口が少ないため、わりと簡単に年齢別で日本選手権でメダルがとれたり、
国際大会に出られたりするらしい。
ちょっと心を動かされる競技である。

関連記事

講談社ノンフィクション賞を受賞しました

今日、タイの時間で3時過ぎ、チェンマイ大学の裏門前(通称「ランモー」)を通過中に驟雨にあい、 移動

記事を読む

no image

友人がちゃんと難民になる

フランスへ逃れてから難民申請をしていたルワンダ人の友人から 「やっと正式な難民認定を受けた」という喜

記事を読む

no image

2010年ノンフィクション・マイベストテン

続いてノンフィクション。 1位〜3位 木村元彦『悪者見参』『誇り』『オシムの言葉』(集英社文庫)

記事を読む

no image

別ジャンルで2つ上がる

「本の雑誌」2008年1月号が届いた。 2007年度ベスト10に『怪獣記』が6位にランクイン。 昨

記事を読む

no image

東京に戻りました。

だいぶ予定より遅くなりましたが、おかげさまで無事帰国しました。 2ヶ月近くも、めくるめくソマリ・ワン

記事を読む

no image

ノンフィクションの世界はここから始まる

 自分も寄稿した本が届いた。石井光太・責任編集『ノンフィクション新世紀』(河出書房新社)。

記事を読む

no image

コーカンとワ

言い忘れていたが、今月29日に行われるウチザワさんの豚を食う「飼い喰い」イベント、 予約がもういっぱ

記事を読む

no image

ヒマラヤのイエティは神戸で飼育されていた!?

最近、さまざまな未知動物について調べているが、 私が知らなかったことがすごくたくさんあり、 驚きの毎

記事を読む

帰国しました

昨日(3日)の午後、無事に帰国した。 二ヶ月ぶりの日本の印象は、「こぢんまりしている」。 成

記事を読む

no image

イスラム二日酔い紀行

昨日は扶桑社に用事があって浜松町へ。 数年ぶりにブックストア談に行って、「イスラム飲酒紀行」を探す。

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑