グラスワイン100円!! 超激安隠れ家アフリカレストラン「GOMASABA(ゴマサバ)」
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様
以前、知り合った在日アフリカ人の二人が元浅草にレストランをオープンしたというので、
先週、『移民の宴』で一緒に仕事をした編集の河井さんと、河井さんの知り合いのNHKプロデューサーの人を誘って
行ってみた。
地下鉄銀座線から仏壇の店が並ぶ通りを歩き、「こんなところにアフリカ料理店があるのか?」と不安になるような場所に
ひっそりと看板が出ているのを発見。
その名も「GOMASABA」。
店をやっているのは、コンゴ人の
ンテラ(別名ノノ)とカメルーン人のロビンソンさん。
ンテラは45歳、ロビンソンさんは35歳とンテラの方がずっと年上なのになぜ呼び捨てかというと、
ンテラは日本語が話せないため、私とはフランス語か英語かリンガラ語で話し「ンテラ」「タカノ」と呼び合うからだ。
いっぽう、ロビンソンさんはなかなか日本語が上手で「タカノさん」「ロビンソンさん」となる。
二人とも、ひじょうに穏やかな性格で、奥さんも彼女もいないそうだ。
一部のアフリカ人のハイテンションが苦手だという人も彼らなら安心して接することができるだろう。
って、料理でなくて彼女募集みたいなことを書いてしまったが、
料理もほんとにおいしかった。
本当にアフリカ赤道地帯の地元食堂に行くと、出るような料理ばかりで
しかも実に丁寧に作ってある。日本人の口にも合う。
私たちは片っ端からオーダーしたが、特に印象に残っているのは、トウモロコシやキャッサバの粉を練ってつくった「フフ」(東アフリカでは「ウガリ」)で、現地でも相当うまい部類に入ると思う。
その他、豆と干し魚の煮込みとかカボチャの葉っぱの煮込み、鶏肉を固く焼いたその名も「ガチガチ」とか、
私が知らない料理もあった。カメルーン料理かもしれない。
意外なところではコーヒーもおいしかった。
カメルーンコーヒーとのことだが、豆をその場で挽いていれているせいかもしれない。
そして、この店の真に驚くべきは超激安なのである。
ランチセット(いつ行ってもある)が500円、バドワイザーやコロナが350円、そしてワインにいたってはなんと100円!!
いったいどうやって採算をとっているのか皆目不明だが、
NPOだというから、支援者にささえられてのことなのだろう。
季節の野菜を使うので、メニューも少しずつ変わるらしい。
みなさん、ぜひ行って確かめてほしい。
ちなみに、ゴマサバ(正式名称はGAOMASABA)とはフランス語のComment ca va?(コモン・サヴァ?)=元気?のことだそうだ。
GOMASABA
営業時間 11:00~21:00
住所 東京都台東区元浅草4-6-19
TEL→03-6796-7155
ホームページ→http://www.guidenet.jp/shop/458y/
上野浅草ガイドネット→http://tanken.guidenet.jp/?p=37098
関連記事
-
旅のトリビア「たびとり」
突然だが、フジテレビの「トリビアの泉」という番組をご存知だろう。 何の役にも立たないが、面白い(とい
-
連続飲酒は人体に影響がある
このところ、酒の飲み過ぎである。 金曜に日本酒とウィスキーで深酒をし、土曜日は久しぶりに家で晩飯を食
-
ナカキョー、直木賞を受賞
私が前々から熱烈に推薦するナカキョーこと中島京子さんが 『小さいおうち』(文藝春秋)で直木賞を受賞
-
やっぱり見つからない…
月刊『SWITCH』の読書欄で『怪獣記』の著者インタビューを受ける。 行きつけの書店で「旅」に関する
-
「クロ高」英語版届く!
私が熱狂的な「クロ高」ファンだということは意外に知られていない。 クロ高とは、少年マガジンで連載し
-
ヒンディー語と春風亭昇太
トルコの怪獣取材もいいが、忘れちゃいけないインド・ウモッカ探索行。 そう、凝りもせず今年の11月末か
-
なんといってもインド
ちょうど映画「スラムドッグ・ミリオネア」がアカデミー賞を受賞した日に その原作であるヴィカス・スワ
-
大脱出記を生かすも殺すも表現次第
なぜかよくわからないが、小説では「表現」や「いかに書かれているか」が問題とされるのに、 ノンフィク
- PREV :
- 9月30日ドキュメント受賞式
- NEXT :
- ここで問題です。