*

サッカーの敵

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


「本の雑誌」バックナンバーのサッカー本特集のコピーを杉江さんに送ってもらい、
それにしたがってサッカーファン必読書を読みはじめた。
最初はサイモン・クーパー『サッカーの敵』(白水社)。
訳がよくないのでとても最後まで読み通す自信がないが、
第二次大戦以来仲がよくないオランダとドイツが、サッカーを通じてよりいっそう仲が悪くなっていくさまとか、中村俊輔が長く在籍したスコットランドのセルティックがカソリックのチームで、プロテスタントのレンジャーズとは宗教の代理戦争になっていることとか
内容はひじょうにおもしろい。
サッカーファンへの道はまた一歩近づいたといえるだろう。
    ☆         ☆         ☆
 
早稲田大学で行われた日本生物多様性財団主催のイベントに行ってきた。
メインパネリストが茂木健一郎氏で、
他に生物多様性の専門家やドキュメンタリー作家などのゲストが参加していた。
だが、残念ながら、肝心の、従来の環境問題と生物多様性はどうちがうのかという部分をさっぱり説明してくれず、
逆に話はまっしぐらに地球温暖化に向かっていくので
途中で帰ってきてしまった。

関連記事

no image

2009年の小説ベスト1

ここんところ仕事で行き詰っているのに、いや、だからこそ、 大作の小説を読んだ。 アミタヴ・ゴーシュ

記事を読む

no image

「倒壊する巨塔」は訳が素晴らしい!

ローレンス・ライト著、平賀秀明訳『倒壊する巨塔』(白水社)を読んだ。 素晴らしい本だった。 「イス

記事を読む

no image

酒よりカツカレー

モガディショからソマリランドのハルゲイサに戻り、さらに今日、飛行機で隣のジブチに出た。 世間のイメー

記事を読む

no image

ブランク

2ヵ月半ぶりにスポーツジムの水泳教室に行ったら、 運悪くいきなりバタフライ特集。 あっという間に腕が

記事を読む

no image

私の目は節穴

前からうすうす気づいていたことだが、この度私の目が節穴だということが判明した。 なぜなら茂木大輔『

記事を読む

仕事を減らして納豆探究?

慢性的な多忙状態が続いていて、すっかりごぶさたしてしまった。 なにしろ2年ぶりに出た自分の新刊

記事を読む

no image

英訳「突破者」を外国人はどう読む?

なんとなくアマゾン書店の洋書コーナーを眺めていたら、 おもしろい本をみつけた。 宮崎学「突破者」の英

記事を読む

アラスカへ逃げたい

石塚元太良・井出幸亮著『All About Alaska アラスカへ行きたい』(新潮社)

記事を読む

帰国。今回の無念について

昨夜、ソマリランド取材から帰国した。 今回の取材の目的は2つ。 一つは5月から連載を開始

記事を読む

no image

ハサミ男、驚愕のラスト

前々から気にはなっていたが、読んでいなかった殊能将之『ハサミ男』(講談社文庫)を読んだ。

記事を読む

Comment

  1. 義理の弟 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; YTB730; GTB6.5; (R1 1.3))
    セルティックはケルト人という意味で、というトリビアもありますが、、、ネタとしてボケてるんですよね?

  2. LP より:

    AGENT: DoCoMo/2.0 F08A3(c500;TB;W30H20)
    日本生物多様性財団主催のシンポ。そもそも茂木健一郎がメインパネリストという段階でダメでしょ。あの人は一体なんの専門家なのですか。
    頭はいいのかも知れませんが、何でも専門家づらして本に書いてしまう時点で全てが信用できない。

  3. KS より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; en-US) AppleWebKit/533.4 (KHTML, like Gecko) Chrome/5.0.375.70 Safari/533.4
    従来の環境問題は個別の話、生物多様性の問題はもっと視野の広い話ではないでしょうか。多様性が失われると、温暖化などの環境変化が起こったときに全滅する危険があります。
    おなじみの白黒の牛ホルスタインは乳はたくさん出すけど、暑さや病気には弱いです。ちゃんと管理してあげなければ生きていけません。
    それに対して途上国などの牛は乳量は少ないですが、ほったらかし状態でも生きていけます。
    もしも乳をたくさん出すことだけに注目しすぎて熱帯の牛を絶滅させてしまったら温暖化して病気が蔓延したときに牛全体がピンチになってしまいます。
    多様性があれば個別の問題(温暖化など)は色々あっても全体的にはまあ大丈夫。
    色々な選択肢があるほうが最終的に上手くやっていける可能性が高いということだと思います。
    長々と偉そうに申し訳ありません。学生時代にこの辺をちょっとかじっていたので、書かせていただきました。
    ちなみに私の指導教授は、卒論を幻の牛探し(写真もしくは体毛などの証拠を手に入れたら卒業)とかにする変人でした。

  4. ファン より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; en-US) AppleWebKit/533.4 (KHTML, like Gecko) Chrome/5.0.375.70 Safari/533.4
     茂木健一郎さんでは無理ではないでしょうか。どちらかというと「正しいこと」より「世間に受けること」を言って生活しているのに近いと思います。
     武田邦彦さんは、どうでしょうか? この人も生活がかかってないとは言いませんが、「正しいこと」に少し近いような気がします。

  5. アジケト より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; .NET CLR 1.1.4322; InfoPath.2)
    高野さんのファンに、こんなに生物多様性に関して興味のある方がいる、
    ということが私にとっては非常に嬉しい驚きです。

  6. KF より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0)
    ひとつのテーマからいろんな事象や人名が乱舞して、あいかわらず楽しいコメント欄ですね~^
    茂木健一郎と「生物多様性」ってそれだけで主催者側のコーディネート・ミスでしょ。相互に全くリンクしないという・・。モーツアルトを希薄化することに多大なる貢献をした男?
    自分は理数系苦手なのでどこまで理解できるか疑問ですが、「多様性」関連の本を読んでみようと思います。
    ところでブータンのイヴェントは行わないのですか?

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑