*

日本に巣くう「残業信仰」を切り崩す(?)宋文洲さんのツイートと二宮金次郎の昔話

Twitterを眺めていたら、宋文洲(@sohbunshu)さんの切れ味するどいツイートが目に飛び込んできました。

残業の多い人をして「仕事ができる」と評価する風土は、いったいどこからきたのだろう・・・。

残業の多い人をして「仕事ができる」と評価する風土は、いったいどこからきたのだろう・・・。

残業多い人は絶対昼間体力をセーブしている。@masakiiwasaki: 長時間残業を続けると、残業を前提とした仕事をするようになる。結果、正規就業時間中の作業効率が悪くなる。人間が集中して効率よく仕事できる時間には限界が

私も絶対そう思う(笑)。

なぜなら、「私には長時間労働に耐えられる集中力はない」と言い切れるので……。

現に、今も『石川鷹彦 WORKS Ⅱ』の原稿書きにくたびれ(実労働1hでギブアップ)、こうしてブログに逃避中しているわけですが。。。

頭を使う作業にしろ、体を使う作業にしろ、人の集中力には限界があります。

仕事の内容によっては時間を忘れて作業に没頭できる場合もありますが、大抵は飽きたり、疲れたりして、時間とともに作業の効率が落ちてきます。

例えば、工場のラインのように、1工程が0コンマ何秒、100個のパーツを何分で組み上げるといったような仕事であれば、勤務時間が成果物の数量とリンクするので、あとは不良品の有無といった成果物の精度によって、労働者を評価することが可能です。

しかし、大抵は、成果物と勤務時間との関係は不明確で、時間をかけてできることもあれば、トントン拍子に進んであっという間に終わってしまうこともあります。

アートや音楽のような、アイデア一発の世界では
「数分で書き上げた曲がミリオンセラー!」なんてことも珍しくありません。

 

しかし。

日本の会社では、長時間働く人を「仕事のできる人」として評価する風習がまだまだ残っています。

宋さんのこのツイートを見て、小学校の頃に読んだ二宮尊徳、いわゆる二宮金次郎さんのお話を思い出しました。

詳細は忘れてしまいましたが、こんな感じの話です。

ある農村で開墾事業を行うことになり、その進み具合を見に二宮尊徳が訪れました。みな一生懸命働いていましたが、中でも一人の男が目を見張るほどの働きぶりで、作業に精を出していました。その様子に気づいた尊徳は、その男のそばへ行き、足を止めます。

お付きの者も、その男も褒められると思った瞬間、尊徳は怒りました。

「おまえはふだん、仕事をさぼっているのだろう。そんな勢いで仕事をしたら、ものの1時間と持たない。いいところを見せようと私のいる間だけきちんと働いて、あとはさぼっていたのでは意味がない。きちんと心を入れ替えて働くように!」

 

例えは悪いのですが、日本のサラリーマン社会に根深く広がる「残業信仰」を切り崩すヒントって、こんなところにあるのではないでしょうか。

人の集中力には限りがある。

それでも残業しなければならないのであれば、人はどこかで休息ととらなければとてももちません。

残業する人が評価につながる職場とは、逆に言えば、会社として非効率な働き方を推奨しているわけで、成果、時間、お金などのリソースを浪費していることへの意識がお留守になっています。

ここまで書いてきて、「あれ、これ何かに似てる?」と思いました。

みなで一緒にゲームをしながら、効率のいい人が正当に評価されるもの。

そう、一昔前のサラリーマンには必須だった、ゴルフです。

ハンデの有無はあるものの、基本的にみんなと同じコースをラウンドし、それぞれが効率良く=なるべく少ない打ち数でカップにボールを沈める。

残業信仰のある企業は、200叩いて回ってきた社員に「よくがんばって叩いた!」といっているようなもんです。

長時間働くことが必ずしも労働の成果に直結しない。むしろ、効率という点からみるとマイナスに作用していること、その辺りの「残業信仰」にまつわる幻想から目覚めてもらうことが必要なんだろうな・・・と思いました。

(だれにいってるんだ?(笑))

ということで、原稿書きに戻ります。はい。

 

 

PR

関連記事

「エクセル4難民」がたどり着いた、2017年のバーチカル手帳はこれだ!

毎年この時期になると、書店や文房具店の手帳売り場は、来年の手帳を求める人でにぎやかです。 定番

記事を読む

no image

私と英会話

 うーん、こんなことしてる場合じゃないんだけど、どういうわけかブログの更新はテンパってる時のことが多

記事を読む

no image

我が家の畑事情

7月に入ったとたん、忙殺モードになってしまい「気がつけば月末…」。 いっこうに梅雨の明けない東京地方

記事を読む

no image

5月18日(土)浅草で浪曲のイベントに出演します(私は歌いません)。

縁がありまして、来月、浪曲のイベントに出演することになりました。 (え?何で浪曲と思われた方、浪曲

記事を読む

no image

民放砂漠

我が家(三鷹市大沢)のテレビは民放が映りません。いや、正確に言うと、どのチャンネルにもまんべんなく「

記事を読む

no image

久しぶりに聞いたこの言葉ー「ぼんたん」

今年もまた謎の演奏団体Say Noの季節がやってきた。 Say Noとは「練習数回で金賞を狙う」とい

記事を読む

自費出版で楽譜集や曲集本をつくりたい人に必要な、5つのステップ。やはりネックは○○○だった。

このブログにアクセスしてくる検索ワードのなかに「楽譜」や「著作権処理」「自費出版」といったキーワード

記事を読む

no image

情報処理は格闘技だ・・・

 ITジャーナリスト佐々木俊尚さんのセミナーに参加するため、サイゾーへ行ってきた。  佐々木俊尚さん

記事を読む

no image

iPhoneがないとスペック半分の男……

先日、人と話していて 「あっ、それなんだったっけ?」 「ちょっと待って、調べてみますよ…」

記事を読む

no image

飲んで治す

 日曜日、無事(?)に演奏会が終了した。  お足許の悪い中…どころか、突然の大雪で果たして誰も来ない

記事を読む

PR

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

PR

2020年1月21日(火)@赤羽/新宿二丁目ママ歴27年、涼ママの歌とトークと焼肉ホルモンde笑ってナイト、大盛況でした。

 久しぶりのイベント復帰、どんなことになるだろう……と思いつつ、フタ

2020年1月21日(火)@赤羽/新宿二丁目ママ歴27年、涼ママの歌とトークと焼肉ホルモンde笑ってナイトをプロデュースします。

 あっという間に2019年が過ぎ去り、2020年入り。 明けましてお

小林家と居倉家の対面について書かれた福島民友新聞社の記事。
小林家のファミリーヒストリー 〜信州から会津に行ったご先祖様〜

NHKに「ファミリーヒストリー」という人気番組がある。 毎回、ひ

出版不況の中、デジタルオンデマンド印刷の登場は、業界をどう変えるのか?
出版不況の中、デジタルオンデマンド印刷の普及で出版界はどう変わる?

このところ、本の雑誌社の杉江さんと「おとなの社会科見学」が続いている。

レンガ状に配置された「Project」。今回、会社のサービスを紹介する場所に使いました。
WPテーマ「Perth」の設定で困ったこと③プロジェクトが表示されない!

先日、会社のホームページをリニューアルしました。Wordpressの「

→もっと見る

  • 2024年10月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031  
PAGE TOP ↑