犬と辺境旅をしてみたい
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
最近頭がぼやあっとして、ここに書いたかどうかも憶えていないのだが、
7月1日に行う旅の本屋のまどでのトークイベントが3日でいっぱいになったので
急遽6月29日に「追加公演」をやることに決まった。
といっても、それもすでに60人近く集まってしまったというから
ここに書くのは手遅れかもしれない。
詳しくはのまどのHPをご覧下さい。
☆ ☆ ☆
「犬」という言葉につられて買ったローリー・スチュワート『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』(白水社)を読了。
まったく騙されたものだ。
犬は半分近くまで出てこないし、登場してもただ村人から押しつけられただけ、
著者も犬本人も迷惑している。
というか、犬は年老いた番犬で、長距離を歩けず、ろくに食事も与えられず、何度も倒れながら雪の中を引きずられて
悲惨。
著者と現地の村人との関係もほとんど最悪で、
こんなに読んでいて虚しさが募る旅行記も珍しい。
読後感の悪さも抜群である。
アフガニスタン中央部がどうなっているのかという資料的価値しかない、
なんともやるせない本で、これがニューヨーク・タイムズ年間最優秀図書だというのだから
欧米人の考えることはさっぱり理解できない。
一つだけ本書に刺激されたのは、(反面教師としてだが)、
犬と楽しく辺境旅がしたいと思ったこと。
いつかどこかで叶えたい。
関連記事
-
2007年に読んだ本ベスト10(ノンフィクション部門)
明けましておめでとうございます。 遅ればせながら2007年に読んだ本ベストテン(ノンフィクション部門
-
いい人症候群の後遺症
震災以来、突然「いい人」のふりをしてしまう恐ろしい伝染病「急性いい人症候群」に冒されていたが、 ここ
-
2015年読んだ本ベストテン<ノンフィクション>
今年はブログをほとんど書かなかった。 というか、最近はブログがあったことすら忘れていた。 とても
-
元「たま」石川浩司氏とのイベント
相変わらず花粉症に悩まされ、テンションが上がらない。 あまりに目がかゆいので火曜日に目医者に行き薬
-
ハッピー・ストリート
一年ほど前から腰痛リハビリのために水泳をやっているのだが、 そこで知り合いになった獣医さんに「バング
-
高野秀行の新刊、続々?!
「高野秀行」の本が続々と出ている。 今度は五段ではなくたしかに私の本なのだが、 韓国語版だ。 すで
- PREV :
- パリジャンは味オンチ
- NEXT :
- いよいよ『困ってるひと』