*

善し悪しはわからないけれど。

公開日: : 最終更新日:2014/10/21 高野秀行の【非】日常模様

先週の日曜日、コソボより帰国した。

今回の旅はひじょうに忙しかった。
移動につぐ移動、その合間にメールで編集者と打ち合わせをしたり、ゲラの校正をしたり、
取材の手はずを整えたり。
よく外国にいると、「どうして日本ではあんなに忙しいのだろう」と不思議の念に打たれるのだが、
今回はまるで日本にいるときと同じだった。
よくないことであると反省。

取材自体はどうだったのかというと、おおむね失敗だった。
失敗だったのだが、コソボのアルバニア人は面白かった。
ヨーロッパにおける「辺境の民」と呼ぶにふさわしい。
何か形になるかどうか大いに疑問だが、ぜひもう一度行ってみたい。

     ☆         ☆          ☆

2014.10.20tabiwanさて、去年は2ヶ月も家族でタイ旅行をした。よく考えれば相当非常識な旅だった。今まで日本からタイへ、単なる旅行のために犬を連れて行った人など皆無じゃなかろうか。

そんな経緯を妻・片野ゆかが単行本にした。
『旅はワン連れ ビビリ犬・マドとタイを行く』(ポプラ社)
本書では私は写真担当。旅の間中、カメラを手放さず、撮りまくっていた。
正直言って、この本が一般読者にとって面白いのか全くわからない。
なにしろ、家族のプライベート旅行の話なのだ。

ただ、海外へ犬連れで旅行に行きたいという人には参考になるだろう。
そのノウハウについてここまで詳しく書かれた本はないはずだから。
どっちにしても奇書だということで、お許し願いたい。

関連記事

no image

『ワセダ1.5坪青春記』韓国でヒット中

ソウル・ショック第2弾は、私の本の韓国語版『ワセダ1.5坪青春記』が 発売たった2ヶ月で3刷りにな

記事を読む

no image

『辺境の旅はゾウにかぎる』

ここで書いたかどうかもう忘れてしまったが、 6月に『辺境の旅はゾウにかぎる』(本の雑誌社)という本

記事を読む

no image

mission complete

ima,yatto shuto Dhaka ni modotte kita. shinjir

記事を読む

no image

霊感はない、ただ見えるだけ

工藤美代子『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』(幽ブックス)という本をもらっていたこ

記事を読む

no image

ミャンマーがまた…

ミャンマーがまた大変なことになっているようだ。 というか、自然災害でも戦争でも こんなに被害が出たの

記事を読む

no image

読書気功療法!!

『幻の楽器・ヴィオラアルタ物語』について途中まで書いたら時間がなくなり、そこでぶつ切りになってしまっ

記事を読む

no image

関野吉晴氏の映画とトークイベント

急ぎのお知らせ。 3月16日~29日、ポレポレ東中野にて、関野吉晴氏が主演(?)の映画「僕らの

記事を読む

no image

イタリア人曰く「日本人がアジア人だと思うとき」

大ヒットしている漫画『テルマエ・ロマエ』の作者であるヤマザキマリのエッセイ『望遠ニッポン見聞録』(

記事を読む

no image

アスクル予約開始

いつの間にか、『放っておいても明日は来る』(本の雑誌社、通称「アスクル」)が アマゾンで予約がはじ

記事を読む

no image

ブックストア談は凄い!

「異国トーキョー漂流記」を大売りだししているユニークな書店「ブックストア談・浜松町店」へ行き、御礼

記事を読む

Comment

  1. 鳥頭 より:

    マドちゃんかわいいですね。
    楽しみにしています。

  2. 西嶋 より:

    個人的な書評で申し訳ないですが…
    以前、高野さんのブログ『龍馬史』でコメントさせていただき、歴史ミステリーの本を紹介していただいた西嶋です。

    個人的な見解ですが、
    ファンタジー作家の上橋菜穂子は現代の預言者では???

    最近出版された『鹿の王』角川書店は、
    謎の伝染病がテーマで
    日本にも上陸したエボラ熱を暗示してますし、
    『守り人』シリーズのラストも大洪水から人びとが立ち上がるシーン
    も、2011.3.11の震災を暗示してます。

    民族学にも詳しい彼女は歴史の必然を予感できるのでしょうか???

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年3月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    25262728293031
PAGE TOP ↑