*

ソウル・ショック!

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

ソウルより帰国した。
予想以上に驚くことがたくさんあった。
まず、ひじょうに残念な話。
最初の目的であるブラインドサッカー(盲人サッカー)の北京五輪アジア予選だが、
優勝候補と目されていた日本は五輪切符を逃したばかりか、
なんと無得点・無勝利で最下位に沈んでしまった。
順位は;
1.中国
2.韓国
3.イラン
4.日本
 大会前は「日本と韓国の優勝争い」と思われていた。
 中国とイランは国際大会が初めてだったからだ。
 しかし、ふたを開けてみれば、中国の選手はみな、機械のように速く正確なプレーで
他チームを圧倒。
 世界最強であるブラジルよりも強いんじゃないかという声が日本の選手や応援団からあがったくらい。
 イランも強かった。3位だが実力は韓国より全然、上だ。
 ブラインドサッカーを始めてたった3ヶ月だというのに、もう日本がまったく手の届かないところにいる。
 聞けば、「二ヶ月の集中合宿を組んだ」という。
 しかも、選手は、陸上、柔道、自転車など、他の競技でならしたアスリートばかり。
「やっぱり、民主化されてない国は強いな」
「いや、核兵器を持っているとか、持とうという気合いがないとダメなんだよ」
など、われわれからはヤケクソ気味の感想がもれた。
 でも、障害者スポーツについては「国力」がそのまま出る。
 日本は中国にもイランにも「国力」で負けているのだと思う。
 もちろん、それ以外に、日本は障害者自立先進国であることも
スポーツの発展には障壁となっているし、いろいろ別な問題もあるのだが。
 いつかどこかで書きたい。
 で、四日目からは自分の本の取材をしたのだが、これまたビックリなのだった…という話はまた今度。

関連記事

自殺削減を国策として掲げたいワケ

最近、人に会うと「賞をとって忙しくなったんじゃない?」と言われるが、 実際には賞云々以前に、二

記事を読む

no image

頑張れ、ミャンマーの柳生一族!

 困ったことになった。  ミャンマー情勢である。  私は「小説すばる」誌で「ミャンマーの柳生一族」と

記事を読む

no image

ソマリランドで今、話題になってること

今、やっと日本でもソマリアの飢饉がニュースになってきたようだ。 では、こっちではどうかというと、ほ

記事を読む

no image

ベトナムの猿人

紆余曲折の結果、ミャンマー行きは取り止めになった。 最近、ほんとについていない。 その代わり同じ時期

記事を読む

no image

部長命令、下る!!

エンタメノンフ文芸部の活動内容をひた隠しにしてきたが、 一昨日更新のタマキング「スットコランド日記」

記事を読む

no image

超絶技巧!!

 私は現代アートというものが苦手だ。どうしても「意味」を探さなければならないという強迫観念にさらされ

記事を読む

no image

「間違う力」と「巻き込まれる力」

話すと長くなるが、成り行きで、ソマリランドの新聞に日本の中古車輸出会社の広告を載せるという仕事をやっ

記事を読む

no image

三沢の試合を見よ

アフリカに行っている最中、三沢光晴の急死について、 知人や読者の人たちから多数のお知らせメールをいた

記事を読む

2015年読んだ本ベストテン<ノンフィクション>

今年はブログをほとんど書かなかった。 というか、最近はブログがあったことすら忘れていた。 とても

記事を読む

no image

エンタメノンフ文芸部創部集会

まだ月曜日の話が終わらない。 夜は本の雑誌社に集合し、 「エンタメノンフ文芸部」創部集会。 部長・宮

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年7月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    28293031  
PAGE TOP ↑