東電に勇気と可能性をもらった
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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
昨日、友人のワタル社長に驚くべき話を聞いた。
東電は今、人手が足りないのか、会社自体が混沌としているのか、電気の検針ができない。
すると、「検針ができないので、先月分と同額をお支払いいただき、あとで差額を返します」と言っているという。
どうやらそういう契約になっているらしい。
取材・編集・執筆をやっている一人編集プロダクションのワタル社長は東電のやり方に瞠目したという。
「すごいですよ。電気が供給できなくて、節電させて、検針もできなくて、そう言えるんだから。例えば僕なら、出版社に『今月は原稿が書けなかったので、先月と同じ原稿料でいいです』って言ってるようなものでしょう」
それは確かにすごい。というか、素晴らしい。
目から鱗が落ちたような気持ちだ。
今までは原稿を書けなかったほうが悪いとばかり思っていたが、
そうじゃないのだ。
しかも先月と同じ額がもらえるという。
業者にもそれだけ権利があったというわけだ。
私もぜひこれからは東電式で行きたい。
いや、書けなかった原稿の代金をもらうわけじゃない。
あとで差額を返すんだから問題ないじゃないか。
週が明けたら早速、集英社や本の雑誌社に提案してみたい。
他にも原稿が書けなくて雑誌に穴を開けたときに、出版社に向かって「大丈夫です」と言ってみるとか、東電式はいろいろと人生に可能性と勇気を与えてくれる。
オール電化はもうダメだが、これからはオール東電化で行きたい。
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Comment
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タカノさん、昨日はどうもでした。
原稿がイマイチでも
「すぐに売上に影響を及ぼすワケではありません」
とか、
原稿催促されても
「今日の執筆量は4万マイクロゲンコーヨーシです(400文字1枚)」
と煙に巻いたり
いろいろいけそうです。
不謹慎ですが。。。(笑)
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ウチの実家は、地震の被害が出て色々困っている時に、連日の計画停電で片付けも進まない時にも、しっかり電気の検針が来てビックリしましたよ。
目撃した私は「こんな時にも検針ってくるんだ〜」と、何とも言いようの無い感心をしました。、
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 6.0; Trident/4.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; Media Center PC 5.0; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; .NET4.0C)
うちは東電ではありませんが犬を飼い始めた時
検針場所の近くを犬小屋にして留守にしたら
「犬がいるので検針できません
先月と同じワット数にしておきます」
のお知らせが入っていました。
非常事態も平常時も同じ対応なんですね。
ある意味見習うべき?