2013年小説ベストワン決定
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様
風邪は治ったものの今度は咳がひどく、声もがらがら。
とくに夜になると咳が止まらず苦しい。
朝起きてもぐったり疲れている。
そんなわけで連休中はうちにこもって本を読んでいた。
すごかったのは乙川優三郎『脊梁山脈』(新潮社)である。
冒頭数行読んだだけで「ものがちがう」と思った。
杉江さんも言っていたが、昭和の文士かという文章だ。
登場人物の会話も、あまりに整っていて昔の映画(例えば小津安二郎とか)の台詞のようだが、
そこに強烈なリアリティがある。
自分も戦後まもない頃、汽車で復員しているような錯覚におちいる。
この小説については多くの人が書くだろうから私がとやかく言う必要はない。
ただ、こんな小説を読んでしまうと他の小説がまったく読めなくなる。
自動的に2013年小説ベストワン決定である。
関連記事
-
大家のおばちゃんには誰も勝てない
日曜日、「野々村荘」の大家のおばちゃん宅で宴会をした。 久しぶりに会うおばちゃんは齢83という高齢で
-
大藪春彦賞受賞パーティ
平山夢明さんが『ダイナー』(ポプラ社)で大藪春彦賞を受賞し、 私と妻も受賞パーティにお招きいただい
-
『間違う力』発売開始
『間違う力 オンリーワンの10カ条』(メディアファクトリー)が発売になった。 丸善川崎ラゾーナ店で
-
マイナー・ミート対談
9月15日(土)にジュンク堂池袋店にて、『世界屠畜紀行』の内澤さんとトークセッション (まあ、公開対
-
biiru no aji
Sakenomi ni totte,atsui kuni de naniyorimo nom
-
友だちは反政府ゲリラだけ…
チェンマイにいる。 4年ぶりだが、驚くほど街が変わった。 見知っている建物がない。 だから自分がどこ
- PREV :
- ぶったるんでるのか、それとも…
- NEXT :
- いわゆる「エア取材」