15年前のドンガラさんと私
公開日:
:
最終更新日:2013/09/02
高野秀行の【非】日常模様

二十代の頃からずっとお世話になっている翻訳家の浅尾敦則さんからこんな写真が送られてきて仰天した。
なんと、15年前、ドンガラさんが来日したときの写真なのだ。
私の若いこと! なぜかこのときはヒゲを生やしてなかったらしいが、それにしてもだ。
ドンガラさんも若い!と言いたいが黒くてよくわからない。
でもすごく若そうである。
(ちなみに、私の左にいるのが浅尾さん。やはりすっごく若い!)
実はこの場面は『異国トーキョー漂流記』(集英社文庫)に書いているのだ。
P.112
翻訳専門誌のインタビューも受けた。
インタビュアーが最後に、一風変わった質問をした。彼が色を表す単語をあげ、
ドンガラさんが自分の連想するイメージを即興で語るというものだ。他は忘れたが、
「黒」が「充満」で、「白」が「空虚」という答えが印象的であった。
……まさにこの場面なのである。インタビュアーは浅尾さんだった。
さすが浅尾さん、面白い質問をしたものだ。
ちなみに、この部屋は昔私が連載をしていた「翻訳の世界」という翻訳専門誌の編集部。
もちろん今はない。
異国トーキョーにはドンガラさんの天然エピソードがてんこ盛りだ。
アブディンが私の本に初登場したのも本書だし、ご興味のある方はぜひどうぞ。
関連記事
-
-
あの映画は何だったのか
名前はよく知っているし、名場面や音楽も知っているような気がするが、 実は一度もちゃんと見たことがない
-
-
シリア・イラク国境地帯の驚異
ユーフラテス河沿いに進み、イラク国境近くの町にいる。 シリアの他の場所は砂漠ばかりだが、この河沿いだ
-
-
また「テレビみたい」と言われるんだろう
日曜日の朝刊のテレビ欄で知ったのだが、 「ウルルン」の後番組として「地球感動配達人」とかいう番組がは
-
-
エンタメ・ノンフ座談会
火曜日、『本の雑誌』の特集で座談会に参加。 テーマは「緊急座談会 エンタメ・ノンフの棚を作れ」。 私
-
-
日本冒険界の奇書中の奇書
(昨日からのつづき) 「冒険家の藤原さん」で「イリアン」といえば、思い出すのは峠恵子の「ニュー
-
-
西原理恵子『できるかな クアトロ』
私が「解説」を書いた西原理恵子の『できるかな クアトロ』(角川文庫)が届く。 漫画部分は例によって
-
-
早大探検部バカ50周年記念
早稲田大学探検部が今年で創立50周年を迎える。 本当ならば、ライバル視していた(向こうは屁とも思って
- PREV :
- ドンガラさん、15年ぶりの緊急来日
- NEXT :
- 連投初戦で同志発見?!


