*

惜しい!

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


 前から見たいと思っていた三池崇史監督「ジャンゴ」を見た。
 スキヤキ・ウェスタンという異名のとおり、西部劇なのに登場するのは
全員日本人で、平家と源氏の末裔たちがある村のお宝をめぐって
抗争を繰り広げている。
 そこにふらりと現れた謎の風来坊が凄腕のガンマンで…。
と、これでわかると思うが、
「用心棒」と「七人の侍」を足して二で割ったものを
西部劇でやろうという、何でもありの映画だ。
 私はこういうハチャメチャな物語が大好きなので
すごく期待をしていたが、実際見ると「うーん」。
 役者はみんないいし、宮崎駿の「千と千尋」を彷彿させるような
凝った村の建物や衣装も素晴らしかったのだが、
いかんせん、「何もでもあり」がすぎて破綻している。
 惜しい。実に惜しい。
 いつの日かこういう小説を自分で書いてみたいと思うのだが、
やっぱり無理だろうなあ…。 

関連記事

no image

ミャンマーがハリウッドになった!?

『ミャンマーの柳生一族』で、「ローマの休日」をパクッた武田鉄矢主演の映画「フォトグラファー・アンド・

記事を読む

no image

イラクからブータンの週末

土曜日、新宿二丁目の「タイニイアリス」という小劇場に、イラクの劇団「ムスタヒール」を見に行く。 テー

記事を読む

no image

10年遊んで暮らした人の話

私が解説を書かせていただいた川上健一『ビトウィン』(集英社文庫)が 発売された(たぶん)。 本来い

記事を読む

no image

日本タイトルだけ大賞2011の候補になっていた

とにかく面白い(笑える)タイトルだけを選ぶ「日本タイトルだけ大賞」というのがあり、 知らないうちに「

記事を読む

no image

ゴール目前で足がつったマラソンランナー

2月刊行の『謎の独立国家ソマリランド』が佳境だ。 すでに地図、相関図、ソマリ群雄割拠之図、口絵のカ

記事を読む

no image

プロレスの罠

80年代から90年代にかけて、年齢としては16歳から30歳くらいまで、 私はプロレスにものすごく夢

記事を読む

no image

ついに文庫1位、総合3位!

「異国トーキョー漂流記」フェアで突っ走るブックストア談 浜松町店。 今日、5月1日〜7日までの売上げ

記事を読む

no image

『ルポ アフリカ資源大国』 

ソマリアに行ったことのある日本人ジャーナリストはいないかと調べてみたら、 毎日新聞のアフリカ特派員だ

記事を読む

no image

イスラム飲酒紀行

7月29日(火)、週刊「SPA!」にて不定期連載「イスラム飲酒紀行」が始まる。 イスラムと酒の両方を

記事を読む

ここ数年最大の問題作か?

キャサリン・ブーの『いつまでも美しく インド・ムンバイのスラムに生きる人々』(早川書房)を読

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年11月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
PAGE TOP ↑