惜しい!
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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
前から見たいと思っていた三池崇史監督「ジャンゴ」を見た。
スキヤキ・ウェスタンという異名のとおり、西部劇なのに登場するのは
全員日本人で、平家と源氏の末裔たちがある村のお宝をめぐって
抗争を繰り広げている。
そこにふらりと現れた謎の風来坊が凄腕のガンマンで…。
と、これでわかると思うが、
「用心棒」と「七人の侍」を足して二で割ったものを
西部劇でやろうという、何でもありの映画だ。
私はこういうハチャメチャな物語が大好きなので
すごく期待をしていたが、実際見ると「うーん」。
役者はみんないいし、宮崎駿の「千と千尋」を彷彿させるような
凝った村の建物や衣装も素晴らしかったのだが、
いかんせん、「何もでもあり」がすぎて破綻している。
惜しい。実に惜しい。
いつの日かこういう小説を自分で書いてみたいと思うのだが、
やっぱり無理だろうなあ…。
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