*

炎のドトール執筆日誌

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

「もうダメだ!」と叫んで家を出たのが去年の夏だった。
原因はインターネット。
常時接続なので、原稿を書いているときも、思うように進まないときはすぐメールをチェックしたり、スポーツナビを見たりしてしまう。
こんなんじゃ仕事にならんと思って、ノートパソコンを持って外に出た。
そして、数日間あちこちうろうろした結果、自宅からちょっと離れたところにあるドトールコーヒーF店が仕事に最適の場所だと判明した。
感じのいいご夫婦がやっている店で、常連の人たちと和気藹々とおしゃべりをし、
とてもチェーン店とは思えないアットホームさを誇っている。
おりしも、ドトール・デビューをした週に、なぜか店の前の道でサンバ・フェスティバルをやっていた。
暑い日の夕方、裸ん坊みたいな女の子たちが元気に踊りまくっていた。
あれからちょうど一年。
今年もサンバの女の子たちが元気に踊りながらやってきた。
私はその店で単行本を2冊書いた。他の連載原稿も書いた。
いまや私の原稿のドトールF店率は950%にも昇り、
万一この店がなくなった場合、重大な危機に直面しそうだ。
店長さんともプロレス・格闘技談義ができなくなるし。
また来年もサンバ・フェスティバルが見られますように。
…て、なんだか今日は杉江由次さんの「炎の営業日誌」みたいだな(笑)。

関連記事

no image

小説にいちばん近いルポ

 日本に移り住んだ外国人の食生活を追った『移民の宴』。「おとなの週末」で連載したものを大幅に加筆修正

記事を読む

no image

続・「クレイジージャーニー」とすしざんまい

昨日、ブログを書いたあと修正しようとしたけど、私のIT力の限界か、二度とログインできなかった。

記事を読む

no image

医学界に進出

「週刊医事新報」なる医学雑誌が自宅に届き、何事かと思ったら 私の本が紹介されていた。 神奈川県葉山

記事を読む

no image

『虐殺器官』の衝撃

つい先週、『天地明察』(角川書店)を読み、「今年日本の小説でこれ以上のものは読まないだろう」と思っ

記事を読む

no image

早大探検部バカ50周年記念

早稲田大学探検部が今年で創立50周年を迎える。 本当ならば、ライバル視していた(向こうは屁とも思って

記事を読む

no image

淋しい…

ここ数日で、今まで抱えていたものが突然、全部おわってしまった。 NHK「ビルマロード」の編集終了(放

記事を読む

no image

「高野秀行」の新刊?!

またもや「高野秀行」の新刊が出た! …といっても、今度は同姓同名の将棋棋士の高野秀行五段の著書だ。

記事を読む

no image

スーツでヤブ漕ぎをする人を発見!

読売新聞のインタビュー取材を受けた。 「何か“原点”とか“こだわり”のある場所でインタビューするとい

記事を読む

no image

大人の遠足

 ブータンが4月に延期になり時間がぽっかり空いたので、 発作的に小旅行に出かけることにした。  つ

記事を読む

no image

新しい探検部の部室とゴリラ

第5回目の上映会が早稲田大学の学生会館で行われた。 数年前に建てられたわりと新しい建物だ。 この新

記事を読む

Comment

  1. KJM より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)
    常時接続って怖いですね。
    私も仕事中についついプロ野球一球中継なんかを観てしまいます。

  2. sasa より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; ja; rv:1.9.1.1) Gecko/20090715 Firefox/3.5.1 (.NET CLR 3.5.30729) AutoPager/0.5.2.2 (http://www.teesoft.info/)
    950%ですか。発表されているのは、執筆されたものの一割にすぎないっ!と妄想すると楽しみが増しますね。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑