*

何の詐欺だろう?

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

ここ1ヶ月で2回、実家の母親から「変な電話があった」という知らせがあった。
最初は「ヒデユキ」を名乗る男が、「携帯をなくしてしまった。
後輩のタカハシと連絡をとりたいんだ。名簿はない?」と訊いたという。
で、2回目の昨日は同じくヒデユキを名乗る男が
「携帯を踏んづけて壊してしまった。ちょっとこっちに電話してもらえないか」と言い、
別の携帯の電話番号を教えたという。
最初のはおそらく名簿狙いだと思うのだが、2回目の昨日のやつがわからない。
何の詐欺だろう?
母親によれば、最初の男は「声が全然ちがった」からすぐに別人とわかったが、
昨日のは似ていて戸惑ったらしい。
だが、男が「今、会社からかけている」と言い、「どこの会社?」と訊いたら、
「前と同じ会社だよ」と答えたので「あ、これはニセモノ」とわかったという。
「なにしろうちの息子は会社に勤めたことが一度もない」というのが
母親にとって人生屈指の痛恨事なのだ。
そういえば、去年も警察を名乗る男から「お宅の息子さん、電車通勤してますよね」という電話があったが、「いえ、してません」と即答したら電話が切れたという。
うちの親を騙すには、「会社」「通勤」は禁物である。

関連記事

2014年のベスト本はもう決まった!!

昨年、あれだけ「小説がダメだった」とぼやいていたのが天に聞こえたのだろうか。 今年最初に読

記事を読む

no image

赤坂高級ホテルの夜

赤坂のANAインターコンチネンタルホテルのプールに行ってきた。 平日の午後3時過ぎでも入場料3000

記事を読む

no image

溝畑宏とイビツァ・オシム

木村元彦作品読書週間が続いている。 次に読んだのは『溝畑宏の天国と地獄 大分トリニータの15年』(

記事を読む

no image

加点法の偉大なる記録

最近私が島田荘司を強力に勧めたため、友人の二村さんが読んでみたらしい。 で、答えは「島田荘司は減点

記事を読む

no image

どこまで行くのか、韓国

またしても竹島問題で関係が急速に悪化している日本と韓国だが、 私の本はゴンゴン出版されつづけている。

記事を読む

no image

アジア未知動物紀行<第3弾>

「小説現代」(講談社)で不定期連載中の「アジア未知動物紀行」。 第1弾はベトナムの猿人フイハイ、そ

記事を読む

no image

大野更紗ができるまで

火曜日、『困ってるひと』が発売されて初めて大野更紗さん宅を訪れた。 思えば、彼女から「何か書きたい

記事を読む

no image

IT2013年問題

私の新しい趣味について、いろいろな提案をいただき、ありがとうございます。 特にいくつかはひじょうに

記事を読む

no image

ちづかマップ

ふとしたきっかけで、衿沢世衣子の「ちづかマップ」(太田出版)というマンガを読む。 昔の知り合いだが

記事を読む

no image

番組はよかったけれど…

もう先週の話になってしまったが、私が関わったNHKのドキュメンタリーが放映された。 自分が旅した様子

記事を読む

Comment

  1. タカ より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)
     こういうの、全く詳しくないのですが、教えられた携帯電話番号にかけると
    そのままダイヤルQ○とかにつながってしまうとかではないでしょうか?

  2. どりまま� より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 2.0.50727)
    やっぱり、高野さんの文章、大好きです♪
    「辺境…」のサイン、ありがとうございました。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年11月
    « 3月    
     123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930  
PAGE TOP ↑