ミャンマーとタイ
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
私の昔なじみの国が二つ緊迫している。
一つはミャンマー。
総選挙でアウン・サン・スー・チーが立候補できそうにないようだが、
それ以上に目を離せないのが少数民族ゲリラの動向。
軍事政権から事実上の「帰順」を勧告されて、
拒否の姿勢をとっているのはシャン、カチン、ワのゲリラ。
全部、私が深く関わった組織だ。
今後いったいどうなるのか、本格的な戦闘になるのか…
と思っていたらその前に意表をついてバンコクで市街戦。
タイは南部ではここ何年もずっと殺し合いがつづき、
毎年何百人(もっとか?)が犠牲になっているが、
バンコクがこんな騒ぎになるのは、私がチェンマイ大学に赴任する直前の1992年以来だ。
当時は国王が水戸黄門並のパワーを発揮して、一瞬でおさめてしまったが、
今回はもちろん国王にそんな力はない。
私はしあさって、バンコクに行くのだが、どうなっているのだろう。
すごいことになっているかもしれないし、まったくどうってこともなく落ち着いているかもしれない。
タイはミャンマーとは全然ちがった意味で、やっぱりよくわからない国である。
関連記事
-
不思議で贅沢な春の晩
以前、コンゴ(旧ザイール)の障害者バンド「スタッフ・ベンダ・ビリリ」を日本に呼び、 そのライブに私
-
タマキングの気づかい
三省堂神保町本店で宮田珠己ことタマキングとトークショーを行う。 驚いたのはタマキングが「Tシャツを2
-
イトコの息子と探検部の後輩
盲目のスーダン人・アブディンの親しい友だちで 外語大のアラビア語学科在籍中にスーダンへ一年間留学した
-
孤高の伝道者・大槻ケンヂ
昨年暮れ、つまり10日あまり前にアップされた音楽関係サイトで、大槻ケンヂのインタビューが載っている
-
次にブレイクする作家
今月8日発売の「本の雑誌」(7月号)に、久しぶりに私の名前が出た。 「次にブレイクする作家はこ
- PREV :
- 早稲田についての質問は困る
- NEXT :
- 深谷陽というアジア風天才漫画家