*

花のズボラ飯

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


久住昌之原作、水沢悦子画『花のズボラ飯』(秋田書店)を読む。
グルメ漫画を読んで、共感したのも初めてなら、料理が作りたくなったのも初めてである。
とにかく主人公の主婦「はな」はいい加減で、てきとうで、
賞味期限のとっくに切れためんつゆを器にどぼどぼ注ぎながら、
「ブルゴーニュ産「めんつゆ」でございます。って、何年モノだよ…」とつぶやくところに
共感を得られる人なら是非読みましょう。
     ☆         ☆        ☆
大久保のモンゴル料理屋で羊一頭を丸ごと食べるという宴会に誘われて行く。
出版関係者が50人も集まっていたが、それを強引なモンゴル人のオーナーがびしびし仕切り、客に酒を飲ませたり、歌をうたわせたり(「豊崎社長」もどこかの校歌を歌っていた)、モンゴル相撲をやらせたり、
負けたほうを罰ゲームで裸で外に追い出したりして(これは紀伊國屋の係長)、羊よりそっちのほうがよほどインパクトがあった。
(写真:羊肉の塊を切るわたし)

関連記事

ドンガラさん、15年ぶりの緊急来日

私がかつて翻訳したコンゴ文学の名作『世界が生まれた朝に』(小学館、絶版)。 その著者であるエマ

記事を読む

no image

サバイバルには向いてない

産経新聞用の書評でベン・シャーウッド『サバイバーズ・クラブ』(講談社インターナショナル)という本を

記事を読む

no image

ソマリランドをラクダで探検する

来年の今頃、ソマリランドとプントランドの国境地帯をラクダで旅しようと思っている。 ピラミッドみたい

記事を読む

no image

落語界の奇才、小説もいけるのか!

春風亭昇太がリーダー役を務める創作話芸アソーシエーション、略してSWA。 私は昇太さんの独演会も好き

記事を読む

no image

ハチャメチャな宴

探検部の大先輩である関野吉晴さん(一ツ橋大探検部OB)に「望月さんと一緒に飯食わないか」と誘われ、

記事を読む

no image

今度はジュンク堂新宿店で

丸善ラゾーナ川崎店で驚いていたら、 今度はジュンク堂新宿店で「高野秀行が偏愛する本たち」というフェ

記事を読む

no image

ペ・ヨンジュンが好きな理由=2位.肉体?

 早大探検部の後輩で、かつてワセダの同じアパートに住んでいた男と久しぶりに飲んだ。 彼はいまテレビの

記事を読む

no image

ジュンク堂新宿店&啓文堂渋谷店と特別契約?!

 昨日、ジュンク堂新宿店へ行った。アジア・コーナーには、私の『西南シルクロードは密林に消える』(講談

記事を読む

no image

『犬部!』

明日7日、妻・片野ゆかの新刊『犬部!』(ポプラ社)が発売される。 犬部とは、北里大学獣医学部に実在

記事を読む

no image

ポプラ社で「ムベンベ」キャンペーン?!

ポプラ社の文芸ウェブサイト「ポプラビーチ」の日替わり表紙写真(「本のある風景」)が6月29日、「ムベ

記事を読む

Comment

  1. タツ より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; Intel Mac OS X 10_6_6; ja-jp) AppleWebKit/533.19.4 (KHTML, like Gecko) Version/5.0.3 Safari/533.19.4
    「世にも奇妙なマラソン大会」、読みました。
    感想はめちゃくちゃ面白い!です!
    新刊を出す度に面白くなっていきますねー。よく短い話の中にあれだけ笑いを入れられるなーと思います。今作を読んで高野さんの書くフィクションものを読んでみたくなりました!

  2. KOW より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 8.0; Windows NT 5.1; Trident/4.0; GTB6.6; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.0.4506.2152; .NET CLR 3.5.30729)
    花のズボラ飯は僕も愛読しています。
    ていうか、それ目当てに、
    エレガンスイブという、おばさん向けの
    漫画雑誌を毎月買っていたりします。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年4月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
PAGE TOP ↑