アラブ音楽の決定版CD
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様

仕事場である辺境ドトールでバイトしている女の子が念願の音大に合格したというので、
お祝いに「ベリーダンスの黄金時代Vol.1 タヒア・カリオカ」というCDをあげる。
1940年代から70年代に人気を博したタヒアというエジプトの名ベリー・ダンサー兼歌手が
個人的に所有していた楽団が、
タヒヤや同時代の大歌手で「アラブの美空ひばり」とも(日本人愛好家の間で)呼ばれる
ウンム・クルスームなどの曲をインストゥルメンタルで演奏したCDらしい。
「らしい」なんて曖昧な言い方をするのは、このCDはライナーノートが極端にマニアックで
基礎情報がまるっきり抜け落ちているからだ。
ともあれ、私は妻がベリーダンスを長年やっていて、うちでは日常的にアラブやトルコの音楽が流れる環境にあり(中東に行っても「家からこんなに遠くに来たのにまたこの音楽か」と思うほどだ)、
CDもずいぶん聴いているが、
このCDはレベルが抜きんでて高い。
音大に受かった子は音楽史を専攻するというから、
ぜひクラシック以外でもこんなに洗練され、高度なオーケストラで演奏する
別の民族音楽もあるんだと知ってほしいと思ったのだった。
一般の人にもお勧めです。
エジプトやリビアの中東情勢のニュースを見るなら、
せっかくなのでそこの人たちのエンタメも味わってみましょう。
関連記事
-
-
「自分の枠」と「屠畜感覚」
先日コダックフォトサロンで行った角田光代さんとの対談が 講談社の文庫情報誌「IN☆POCKET」に掲
-
-
イスタンブールは遠い…
再び成田空港に行き、今度はちゃんと飛行機が飛んだ。 が、ドバイに着いたものの、日にちがずれたためイ
-
-
こんなことをやってる場合か
重要事が押し迫るほど、人は余計なことをやりたがる。 明日の出発に備え、歯磨き粉と爪きりと電池を買い
-
-
日本タイトルだけ大賞2011の候補になっていた
とにかく面白い(笑える)タイトルだけを選ぶ「日本タイトルだけ大賞」というのがあり、 知らないうちに「
-
-
15年前のドンガラさんと私
二十代の頃からずっとお世話になっている翻訳家の浅尾敦則さんからこんな写真が送られてきて仰天した。
-
-
酒飲みにやさしいイスラム国
半年間のトルコ遊学から帰国して間もない慶応大学の学生S君にトルコの話を聞いた。 場所は阿佐ヶ谷の
- PREV :
- イランの料理をみくびっていた
- NEXT :
- 「困ってる人」書籍化プロジェクトX


