私の出演するラジオ・テレビ番組がなぜ面白くないのか
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
今年はテレビ2本、ラジオはけっこうな数に出演した。
毎月一回は何かに出ているだろう。
が、正直言って、「出て良かった」と思うことは少ない。
聴取者にマイナスの印象を残しているだけじゃないかという気がする。
どうしてなのか、この週末に理由をじっくり考えてみた。
飲み会や二日酔いで他に何もできなかったし。
で、わかったのは、「今までそれをじっくり考えたことがなかったから」という結論に達した。
ラジオにしてもテレビにしても、制作側が私をどう紹介していくか、しっかり企画を練っている場合がひじょうに少ない。
はっきり言って工夫がない。
プロデューサーやディレクター、放送作家はわりと私の本を読んでくれている。
それで私を番組に呼んでくれる。
そこまではいいのだが、なにしろテレビにしてもラジオにしても
予算も人員も限られ、毎回追われるように作っている。
とても私が出る一コーナーの企画を練る余裕などない。
もっと困るのは、パーソナリティや司会の人たちで、
彼らは私の本を読む時間すらない。
毎日のように何人ものゲストを相手しなければならないのだ。
いちいちその人の本なんか読んでられない。
そうすると、「辺境作家」とか「辺境冒険作家」という肩書きだけで
漠然とコーナーを始めるしかない。
そのイメージから私のやっていることを想像するのは難しい。というか無理である。
なのに、そのうえ、この前のラジオみたいに、コアな読者のリスナーから
「高野さん、まだインドに行けないんですか?」なんて質問が届く。
「これ、何ですか?」とパーソナリティはさっぱりわけがわからない。
私は「一体どこから説明したらいいか…」と遠い目になる。
いちおう説明するが、高野本を知らない読者にはちんぷんかんぷんだし、
高野本の読者ならまどろっこしくてイライラするだろう。
その結果、毎回、すんごく曖昧で、実際の高野本とかけ離れたイメージが流れてしまう。
すごい冒険家だったり、お笑い芸人だったり、犯罪者みたいな奴だったり。
(いや、後者二つは間違いじゃないんだけど)
では一体どうすればいいのか。
制作側が無策なら、私も無策すぎた。
だいたい私がこれまで何をやってきたのか把握すること自体、難しすぎる。
本を読めって言ってもどれを読めばいいのか。
アヘン王国とウモッカと三畳記を読んでも私の全体像は全然つかめないし、ますますわけがわからなくなる。
だから私が毎回、番組内容や時間を聞き、「じゃあ、こういうふうなテーマがいいんじゃないですか」と提案すべきなのだろう。
それを怠ってきたのは、毎日いろいろやることがあって、ラジオやテレビの内容にいちいちかまけていられないと思っていたからだ。
まるで制作側と同じだ。
制作側とちがって私には「出演しない」という選択肢もあるのだから
もっとタチが悪いかもしれない。反省している。
というわけで、今後は「1番組=1テーマ」で挑みたい。
アジアは広すぎるから、タイやミャンマーくらいに絞るとか、
酒、飯、動物、妖怪などジャンルで切るとか。
でも、できれば、「1番組=1作」が望ましい。
今回は酒で「イスラム飲酒紀行」とか、次回はアフリカで「マラソン大会」とか、
その次はトルコで「怪獣記」といった具合である。
そうすれば、制作側も私もリスナーもわりと落ち着いて話をする(聞く)ことができる。
…と思うのだけど、どうでしょうか?
他に何かいい案があれば教えて下さい。
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Comment
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DIGは出演者リクエスト週の時に高野さんを喚んで下さい、とリスクエストしてたので出演すると聞いて最高に期待してたんですが、、、確かにチョット残念な内容でした。お二人の本はどちらも既読ですが知っている内容を本人の声で聞けたというのは嬉しかったですよ。
聞いた感想は主題が絞れてなくてバラけ過ぎという印象でした。
正直なんで二人喚んだんだろ?って気持ちになりましたが。
今度は宮田さんや内澤さんとエンタメノンフというジャンル主題でご出演期待してます。
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あんなに面白い本が書ける高野さんですから、仰るようにテーマを絞って30分位の時間がとれれば必ず面白い番組になると思います。
懲りずにまた出演して下さい。期待しています。
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仕方がないのでは、というのが結論です。
テレビの視聴者は、冒険家なら、すごい奴、アジアを語ると、現地人性善説、とやはり自分の幻想の証拠固めのために見ているのです。
私のようにインドに長くいて、アジアに20回以上いる者には高野さんの本は面白い、しかし今のテレビの視聴者にそれがわかれというのは
常識人がムーの読者を相手にするより難しいことだと思うのです。
では、、無利しないで、そのままの高野さんを続け、仕事が来なければ来ないでほっておく、
視聴率や、番組のできなどはプロデユーサーが心配すればいいことです。要するによぶのが悪いのです。
そして、テレビを見ている100人に3人が愛読者になればこちらの勝ち、
そんな考えでいいのではないでしょうか、
利用できるものは利用して、相手がどうなろうと知ったことではない、、
やはり豊かな時代に育った私たち私は1962年生まれ、のなんとなく面白いからやる、という精神は今の人たちには理解できないでしょう。
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高野さん、初めまして。10年くらい高野さんの大ファンです。
ラジオデイズの平山さんとの対談は面白かったですよ。
本当は高野さんがレギュラー番組もって上智の講義みたいに高野さんが面白そうだと思う人と1時間くらい御自身の話しも混ぜながら対談して頂きたい!!
高野ファンは必ず聞きますよ。
ちなみに私は高野さんとノノさんの対談をラジオで聞きたいです。笑
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高野さんがそんなにラジオに出ているとは知りませんでした。海外在住者ながら大ファンなので、是非レギュラー番組を持ってほしいと思います。ついでにポッドキャスト配信もしていただければ最高です!今年出演された番組でポッドキャストで聴けるものはないでしょうか?
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講演会を毎回満席にする高野先生は、お茶の間の知名度はなくても高座のチケットが取れない人気落語家と同じですから。
こういう「多数ではないけどディープなファン」を相手にしている方は、ラジオやテレビっていうメディアよりもインターネットと親和性が高いのかな、と思うんですが、それはもうこのブログでやってくださっているので、新たな展開が欲しいですね。
僕もNONOさんとの対談に一票!インターネットラジオで延々と昔のアニメの話とかだとうれしいです。NONOさんを屋久島から連れ出すのが大変そうですけど。
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私もたまさんと、同様の意見。
高野さんの著作を読んでいた、平山さんとの番組は
面白かったです。
素直に、こんな反省を吐露しているところが
また高野さんの魅力でもあり。
水道橋博士は業界に潜入している「ルポ芸人」を自称しております。
高野さんも、CATVやネットラジオなど
テレビ・ラジオのもっと辺境に突っ込む
「辺境メディア作家」を目指されては。
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大変面白かったです。高野さんの大ファンで初めて高野さんが出演しているラジオを聴いたからでしょうか。もっともっと長い時間、詳しい内容まで聴きていたかったというのが印象です。とりわけアヘン王国。
上記のアハマドさんが仰っていましたが、今年出演したラジオ聴いてみたいのでポッドキャスト配信している番組ありましたら是非教えてください。ちなみに今回のラジオ出演はポッドキャスト「世界一周たびたびニュース」をやられている、やすやすさんという方のツイートで知りました。
「世界一周たびたびニュース」やポッドキャスト「トリカゴ放送」は旅好きの方が聴いておりますし、パーソナリティーが旅好きなので高野さんのインタビュアーとしては適任で面白い部分、深い部分が引き出せるのかなと思いました。
ただ出演料はなさそうですが…あるかもしれません。
高野さんが「いろいろ」と言ったときの「えー(知りたい知りたい)」という江藤さんの反応は個人的にはかわいかったかなと思います。
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みなさん、ご意見をありがとうございます!
内澤副部長もツイッターでこうおっしゃってます。
「私は人前に姿や声曝すのが得意じゃないからこそ、自著のパブにしてもらえて、かつ番組が番組の主旨にそって面白くなるように(制作の皆さまに迷惑かけないように)、かなり真剣に考えます。
当然…なのだけど、私は「自著のパブ」という発想がなかったんですね。
じゃあ、どういうつもりだったのかというと、頭が空っぽだっただけで…
とりあえず、肩書きを変えようかと思ってます。
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初めてコメントさせていただきます。
私はJ−WAVEのジャム・ザ・ワールドで高野さんの語りを聴いたのがきっかけで読者になりました。
内容はもちろんですが、何よりお声と、しゃべり方と、クスクス笑いに惹かれたのです。
そんな動機で誰かの本を読もうと思ったことは他にありません。
聴取者にマイナスの印象を与えるなんて心配はご無用かと…。
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あ、声がいいですよね。高野さん。見た目の「いかにも旅の達人」という感じとギャップがあり、面白かったです。ということでザナさんに同意です。
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DIGは初回から全部きいてます、高野さん、角幡さんの著書すべて読んでます。確かに残念な内容でしたDIGのよさ、物書きおふたりの歯車があっていなかった構造的な問題かと。ニュース要素を掘り下げる形の番組なので今回はDIG側が論点を作っていなかったのが悪い。
翌日の立川談志の話題のDIGはさすがに面白かった。談春、白鳥が談志についていろいろな考えとエピソードを持ち前の落語家の話術で紹介するのですから。
高野さんの本はニッチな層で一度読むと過去作全巻読んでしまうような、かならず固定客が付くような物だと思いますし、そもそもメディア露出してサービスする必要が無いのかもしれません、口コミで広がっていくようなタイプの作家で次回作はかならず買うようなファン層を持つと思うので勝手に突き進んでください。
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この議論文学の歴史にも通じる面白いものになってきました。
私は高野さんの本は、やはりアジアのドミトリーの情報交換が基準で、お茶の間には不適合だと思います。
だから面白いんです。
でも今の時代このドミトリーのお話ができる人がいない、だから高野さんは落ち込まずに、、わが道を行く、そしてここに、温かい言葉を書き込んだ私たちが高野作品の魅力を情報発信してゆく。
そしてマスコミは適度に利用する、、これでいいのかもしれません。
中島みゆきが300人相手にコンサートをやる時代です。
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追伸です、、
そもそも売れている、漫画家はテレビに出ませんよね。
私も高野さんの本を広める、、URLを作っています。大好きというのではなく、
この本が今の日本特に若い人に読んでもらいたいという気持ちからです。
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はじめまして。
Digのことですね。地方なのでPodcastのリスナーです。
つい最近、アマゾンで高野さんを知りPodcastを楽しみに聴いてみました。
しかし聞いた感想は、会話がかみ合わない感じのする放送でした。
最後まで司会はゲストをさぐりさぐりだし、話があちこち飛ぶし。
じつはDigはけっこういい加減な放送も多いいんです。
ただリスナーとしてはハラハラしながら聴くことも魅力のひとつだ思ってます。
Digを聴いても高野さんの御本の魅力が正直良く伝わってこなかったんですが、
ますます実際に御本が読みたくなりました。
じつをいいますと高野さんの御本はまだ読んだことがないんですよ(汗)
今読んでいる本が終わったら必ず次に買おうと思っていますので、
これからもメディア出演にチャレンジして下さい。