*

朝鮮名探偵

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様


amazonはよく勝手にお勧めをしてくる。
特によくお勧めされるのは高野秀行の本だ。
私が人に配るために購入するせいだろう。
韓流もしつこく勧められ、はっきり言ってうざい。
私がチャングムを買ったのはもう5年も前だと思うが、BOX2つというのが効いているのだろうか。いまだに韓流が来る。
で、また勧められたのが映画「朝鮮名探偵 トリカブトの秘密」
タイトルに思わず爆笑し、そのままクリックしてしまった。
こんなことをするから、amazonにまた付け入れられるのだ。
DVDのジャケットには「朝鮮史上初の名探偵」と書かれていて、もう意味がわからない。
しかし、観てみたら、これがムチャクチャ面白かった。
朝鮮王朝時代(1782年)に大がかりな密輸と贈賄事件を追う調査官の話なのだが、
実は徹頭徹尾お笑い。
アクションにしても、ストーリーにしても、香港映画を手本にしているんじゃないだろうか。
コメディのツボをきちんと押さえていて、はずさない。
いちばん近いのは「少林サッカー」のチャウ・シンチーの作品だろう。
当時の大ベストセラー(?)のエロ本「キム女官の秘密」、
数学を自動的に解く機械(でもルービック・キューブ)といった小道具、
無意味にセクシーな女商人ハン、犬を操る天才・ソビル、隠れキリシタンの奴隷など、
引きの強い登場人物がてんこ盛りで、全く飽きさせない。
難を言えば、謎が複雑でミステリ部分がよくわからないことくらいか。
まあ、そんなことは気にならないくらい楽しめる。
早くamazonから続編の知らせが来ないか、心待ちにしている。

関連記事

no image

イラクからブータンの週末

土曜日、新宿二丁目の「タイニイアリス」という小劇場に、イラクの劇団「ムスタヒール」を見に行く。 テー

記事を読む

no image

ラストクエスト

「メモリークエスト」の募集が終わった。 最後の依頼は、今までにない斬新なモノ。 こういうムチャな依頼

記事を読む

no image

生物「超」多様性問題

探検部の後輩で今、テレビのディレクターをやっている男が生物多様性問題について取材をしているというので

記事を読む

no image

日本はよい国

天気がいいので、相模湖から城山まで山をぶらぶらする。 途中の休憩小屋で酒が売られているのを見て感激

記事を読む

no image

おお、神よ、私は働きたくない

宮田珠己待望の新刊『なみのひとなみのいとなみ』(朝日新聞出版)が発売された。 単行本の新刊は一年半ぶ

記事を読む

no image

ニュースゼロ&イベント&アスクル

まずはお知らせから。 明日、日本テレビのニュースゼロで、私の知り合いのフリージャーナリスト、 大津司

記事を読む

no image

平凡妄想

『放っておいても明日は来る』(通称アスクル)を出版することが決まったとき、 まず思ったのは「ゲストの

記事を読む

シワユメは絶版ではなかった

また、とんでもない間違いをしてしまった。 去年の暮れあたり、『世界のシワに夢を見ろ!』(小

記事を読む

no image

螺旋

たまにはガイブン(外国文学)が読みたくなり、サンティアーゴ・パハーレスの『螺旋』(ヴィレッジブック

記事を読む

no image

本の雑誌年間ベスト1

本の雑誌1月号が届く。 恒例の年間ベストテンの1位はあの新人の快著。 しごく納得。 あの秘境ノンフ

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇のお知らせ

高野さんより、「デビュー35周年記念・自主サバティカル休暇」のお知らせ

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

→もっと見る

  • 2025年6月
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    30  
PAGE TOP ↑