末っ子はわるくない
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
金曜日、警官の職質とバーティカルでの取材&営業のあと、
ジュンク堂新宿店で宮田珠己、内澤旬子の両氏とトークショー。
テーマは「旅の話」としてあったが、三人ともまったく打合せをしていない。
宮田さんが「俺が仕切らないとまずい」と思ったらしく、
体調がイマイチにもかかわらず、バシバシ仕切ってくれた。
いっぽう、内澤さんは自分で思い出せないことを会場のお客さんの中にいるダンナさんの
南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)さんに突然「あれ、なんだっけ?」と振るなど、
自由奔放かつ積極果敢。
私は二人の間をてきとうにちょろちょろと動きまわり、
あたかも宮田さんが長男、内澤さんが真ん中、私が末っ子という三人兄弟のようになり、
なかなかバランスがとれていて、また私自身とても居心地がよかった。
部活でも同じ構造がいかんなく発揮され、
三人の中で唯一、短篇小説をしっかり仕上げたのは宮田さんのみ、
内澤さんは途中まで、末っ子の私はひとつも書けず2年前に書いたやつ(「剛速球探偵」というミステリ)でお茶を濁して、
内澤姉さんに「そんなのアリかよ!」と叱られた。
結果は部活への姿勢に見事に比例、
宮田部長のものはすでに完成まであと一歩、内澤副部長は構成を練り直すこと、
そして平部員の私は内澤姉さんに「それ、高野さん、ほんとに書きたいことなの?」と突っ込まれ、「すいません」と謝ってしまった。
今後は杉江マネージャーが参戦するようだから、
きっと次回は彼が私を追い抜き、私は四人兄弟の末っ子になりそうな予感がみちみちている。
※部活のためトークショーの打ち上げができず、関係者のみなさんには申し訳ありませんでした。
次回からはトークショーと部活は分けて開催します。
関連記事
-
-
海賊の少年とすしざんまい
裁判というのはひじょうに傍聴が難しい。 いつ行われるのか直前にならないと公表されないのだ。
-
-
海賊国家プントランド
今回の旅の目的は謎の独立国家ソマリランドの実情を探ることだが、 そこにいると同じ意見しか聞けない。
-
-
英訳「突破者」を外国人はどう読む?
なんとなくアマゾン書店の洋書コーナーを眺めていたら、 おもしろい本をみつけた。 宮崎学「突破者」の英
-
-
わが読書人生史上、最高に驚いた出来事
宮田部長の『スットコランド日記 深煎り』(本の雑誌社)を読んでいた。 例によって、四国のお遍路だと
-
-
「いちおう民主国家」ミステリ
今さらだが、伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』を読んだ。 独裁国家でのミステリ読書週間の番外編だ。
-
-
爆笑ムエタイ武者修行
上智大学の講義、第4回のゲストは 元女子ムエタイボクサーで現在はムエタイエクササイズのインストラクタ
- PREV :
- だから「吸うな」「飲むな」
- NEXT :
- 泣けるような話


