インドの怪魚ウモッカを探せ!
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
自分のなかではずっと前から決定していすぎてブログに書くのを忘れていた。
今年の12月中旬から来年の3月中旬にかけて、約三ヵ月、インドの謎の怪魚「ウモッカ」を探しに行くことにした。
ウモッカとは、ハンドルネーム「モッカさん」という人物が、10年前にインドのベンガル湾に面する町で見かけた謎の魚だ。
「謎の巨大生物UMA」というサイトで二年前に登場、ウモッカという名前をつけられ大人気を博し、今ではすっかり忘れられているのを私が今頃気づき(このブログ上で「りーだーさん」という方に教えてもらったのだが)、他の人より二年遅れて興奮した次第だ。
魚に詳しい誰もが「こんな魚はけんとうがつかない」と首をひねっている。
もしかしたら、古代魚の生き残りかもしれないし、ハチュウ類が魚に戻ったものかもしれない。
とにかく、見つかったら大発見になるはずである。
9月の下旬に「モッカさん」にお会いして詳しい話を聞いた。
モッカさんがひじょうに誠実かつ常識的な人物であること、モッカさんが生き物大好きな美術の先生でありスケッチの上手さはもちろん、生き物の観察に慣れていること、そして何よりも話のリアルさから、私は「ウモッカ」なる魚が実在する(少なくともその時点では「実在した」)と勝手に断定した。
来年で40歳になる人間がやることではないんだが、こうなると仕方がないのである。何が「仕方がない」のかよくわからないが、そうなのだ。
あ、そうそう、ウモッカの特徴をあらためて簡潔に説明しておこう。
・体長約2メートル。
・背中にバラのようなトゲのついたウロコに覆われている。
・ウロコはふつうの魚鱗のように重なっていない。六角形が立体的に横に並んでいる。サッカーボールのイメージに近い。
・背ビレがない(たぶん)。
・頭や腹はつるつるしている。
・ヒレが「足」のようになっていて、シーラカンスを彷彿させる。
・エラはサメに似ている(たぶん)。
・全体的に魚と爬虫類の合いの子っぽい。
・現地の漁師は「カレーにする」と平然とさばいていた。
・モッカさんによる目撃は、1996年の1月1日。なぜか元旦の朝だった。
こう、改めて書いていると、「すごい!」という興奮と「ほんとにこんな魚、いるのか?」という疑問に揺さぶられる。
実際に見た人はたった一人、それも十年前の話だし。
さて、中年男の究極のバカ探検の行方はいかに???
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Comment
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『40にもなってそんなバカなことやって』
という最高の誉め言葉を贈ります。
うらやましいと思っている人いっぱいいますんで
その人たちの『羨望の眼差し』をいっぱいに浴びて
行ってきてください。
おそらく最大級の『いいなー』by 二村
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ウモッカ発見・捕獲! 期待しております。
あー、同行したかった(笑
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羨ましいな、本当に・・・・
ウモッカに噛まれて足の1本も腫らせて帰って来て下さい
「羨望の眼差し」、いや嫉妬ですよ(笑)
マジで羨ましいな
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3ヶ月もですか・・・。
うらやましいとか嫉妬とかを超えて、尊敬してしまいます。
またまた、おんもしろい話しやな〜〜。
風りん 小林 純
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>現地の漁師は「カレーにする」と平然とさばいていた。
これいいですね。是非お味の感想も調査&報告お願いします。
ちなみにムービーは回すんですよね。
上映会とか予定ありですか?
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OPPUさん、お待たせしました。
高野秀行インド行きに際し、早大探検部時代のモケーレ・ムベンベに始まり、一連の辺境&未確認探索の軌跡をまとめた高野秀行イベントを11月5日に開催する運びとなりました。
11月5日(土)14:00〜
太田文化の森 多目的室
前売:3500円/当日:4000円
限定:250名
「ムベンベに始まりウモッカ探索発表に終わる」という内容です。
出演:高野秀行、早大探検部(現役)、内藤陳、森清(講談社写真部)
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細部の説明を無視した、絵を見ての
印象だけだと、は虫類というよりほ乳類のジュゴンとか
マナティみたいに見えますね。
もちろん尾びれや背びれも無視しているので、なんですが。
背中のとげもフジツボが着生しているのでは?
あ、うろこも無視しないと。。。(苦笑)
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すいません、11月5日のイベント前売り券はどこで購入できるのでしょう?
インドには行けませんが、せめてイベントには行きたいです。
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ミャンマーロードの放送日はいつ?
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ワイルドキャットさん、どうもありがとうございます。
高野秀行のスケジュールは公式サイトで逐一アップしております。
どうぞご確認くださいませ。
http://www.aisa.ne.jp/takano/schedule.html
今後ともよろしくお願い申し上げます。
リーダーさん、チケットの件ですが、
追って正式に発表いたします。
日にちが迫っているのに、遅くなってしまい申し訳ありません。
サイト管理
有限会社AISA
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がーん!!
そうでしたかしりませんでした。
でも、放送は衛星テレビなんですねみれないな・・・・
どこか、インターネット喫茶なんかでみれると来ないですかね?
ずっと楽しみにしてたのに・・・
まあしょうがない
私も、酒屋にウォッカでも探しに出掛けよう。
がっかり
密林のスケールを遙かに越える男
昨年の5月に共通の友人の紹介で知り合い、その後、懇意にしていただいている日本随一の辺境冒険作家高野秀行氏が、次のターゲットを決めたという。高野氏は、早稲田の探検部時代にアフリカはコンゴの怪獣モケーレムベンベを探しに行き、そのいきさつをまとめた本