豚に乗った少年
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
千葉の内澤邸へ愛豚を見に、杉江さんと一緒に行ってきた。
でかいという話は聞いていたが、迫力は想像以上。
ウチザワ母さんが「伸ちゃーん」「夢ちゃーん」「秀ちゃーん」と呼ぶと、
呼ばれた豚は「ごふっ!」と返事して奥の部屋からどかどか出てくる。
犬みたいだ。
3頭はみんな、驚くほど人柄ならぬ豚柄がちがう。
某テレビ・プロデューサーの名前をつけた伸(しん)ちゃんは愛嬌があって優しい。
私でなく某編集者の名前からとった秀(ひで)はマイペースでのっそりしている。
そして狂気作家・平山夢明氏からとった夢(ゆめ)は…
ウチザワ母さんが言うように、悪魔じみている。
どかーん!と鉄の柵に突っ込んできて、柵の外で2メートルも離れていた杉江さんが
思わず後ろにとびすさったほど。
伸をどついて食い物を横取りする。
私も膝をがぶっとかまれた。いてー。
でも3匹ともかわいくて、中に入ってうちの犬にやるみたいにタオルを振ると、
バクバク喰らいつき、ガブガブと夢中でかじっていた。
ウチザワ母さんの溺愛ぶりもすごく、頂き物の梨をあげていた。
予定より遅れて25日につぶすそうだが、そのあとのペットロスを心配していた。
自分で殺してペットロスもないと思うが。
関連記事
-
-
タンデム三輪車「トライデム」
拙著『異国トーキョー物語』の最終章に「盲目のスーダン人留学生・マフディ」という男が出てくる。 本名は
-
-
超高級リゾートアイランド
インド洋に浮かぶ超高級リゾートアイランド、セイシェルにいる。 あやうく入国審査にひっかかりそうになっ
-
-
サッカーファン強化合宿
高橋源一郎の小説『「悪」と戦う』(河出書房新社)を読む。 文学が成り立つ前提をとっぱらうというタカ
-
-
日本はフライ級ミステリの宝庫?
独裁政権下の小説を読みつづけている。 最近はオレン・スタインハウアー『極限捜査』(文春文庫)を読ん
-
-
なぜ小説を書かないのか?
早大探検部OB会<特別ホラー篇>みたいな催しがあり、 「もっと若手がほしい」とのことで40歳の私も召
-
-
新連載はまさか、あの…?!
『アジア新聞屋台村』本日発売!…なのだが、なんか、今回もまた売れない予感がしてきた。芥川龍之介ではな
-
-
「幻獣ムベンベ 早稲田大学探検部コンゴ行」
7月12日発売のヤングチャンピオン誌で、いよいよマンガ版「ムベンベ」が始まる。 正式なタイトルは「
-
-
『メモリークエスト』見本とどく
初めてのことだが、2日連続で新刊の見本がとどく。 今度はお待ちかね、『メモリークエスト』。 カバー
- PREV :
- 古墳プレイ
- NEXT :
- 小説すばる&本の雑誌&バングラデシュ
Comment
AGENT: KDDI-SA3A UP.Browser/6.2.0.13.1.4 (GUI) MMP/2.0
高野さん、楽しい話ですね。こういう軽快な文章は好きです。