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番組はよかったけれど…

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

もう先週の話になってしまったが、私が関わったNHKのドキュメンタリーが放映された。
自分が旅した様子がそのまま映像になるなんて初めてなだけに、かぶりつきで見てしまった。
見所はいろいろあったが、何よりも現地の人がみんな笑顔であるのに驚いた。
もちろん、ロケのとき私もほとんど一緒にいたから、みなさんがニコニコしているのは知っていたが、これほどまでとは思わなかった。
金掘りの女性など、「故郷に帰るお金もない。子どもにも一年も会ってない」と話す内容は気の毒どころではないのに、満面の笑みである。
今ここでその笑みを解釈しようとは思わないが、少なくともミャンマー辺境地の「地力」(土地の持つ力)は伝わったのではないかと思う。
だが、しかし。
せっかくの番組も、ほとんどの人が見られないのでは意味がない。
「どうせ見られないなら告知なんかするな!」と怒った人は一人や二人ではない。
もっともだと思う。
どこかでビデオ上映会ができるといいのだが…。

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Comment

  1. 二村 より:

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    >どこかでビデオ上映ができるといいのだが。。。
    賛成!ウモッカイベントでやりましょうよ。
    それがダメならやっぱり『辺境映像祭』ですか(笑)。

  2. りーだー より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1)
    幸運なことに視聴できました。
    原種のバナナ食べてたのはヒデさんですよね(笑
    ぜひ多くの人に見てもらいたい番組でした。
    厳しい環境ながら生きる人々のパワーが満ち溢れていたように思います。
    11月のイベントは、ぜひ足を運ぼうと思いますが……前売り券ってどこで売ってるんでしょうか(笑

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