*

家宝、誕生

公開日: : 最終更新日:2012/05/28 高野秀行の【非】日常模様

新刊「ミャンマーの柳生一族」のおどろおどろしい表紙に笑った人も多いだろう。
「昔の東映時代劇みたい」という声も聞いた。
無理もない。
夕陽の写真もさることながら、あの題字が凄い。
書いてくれたのは、糸見渓南という書家の方だ。
かの有名なテレビ番組「必殺仕事人」の題字を書いた人で、
今回は「あれと同じ感じで書いてください」と無理にお願いしたのだった。
幸いにも糸見さんは引き受けてくださった。
ふだん、横書きなんか滅多に書かないだろうし、ましてや「ミャンマー」という外来語なぞ、使う機会もないと思うが、ずばっとやってくれた。
もしかしたら、あの本のなかでいちばん価値があるのは、あの題字かもしれない。
先日、糸見さんから編集者を経由して、その「原書」(何といえばいいのか? オリジナルのことなんだけど)が届いた。
私にくださったのだ。
意外に大きい。文庫の表紙だけでも迫力あるが、原書は比較にならないド迫力だ。
墨が飛び散り、まるで血しぶきをあげているよう。
うーん、これは価値がある。
たぶん、私が所有するもののなかではいちばん価値があるだろう。
今後、我が家の家宝として大切にすることにした。
飾るところを見つけるのがちと大変なのだが…。

関連記事

no image

見知らぬ超名作

 日頃から世間とのタイムラグというかズレを感じているが、「フラガール」には本当に驚かされた。 「フ

記事を読む

no image

SFの「次」

 本の雑誌社の杉江さんに会い、「SF本の雑誌」の「見本」をもらう。 なぜ「見本」なのかというと、先

記事を読む

no image

高野秀行フェア バンコクで好評

7月25日から8月7日(つまり今日)まで、バンコクの紀伊国屋書店で「高野秀行フェア」が行われ、なか

記事を読む

no image

無料出張上映会&琉球映画

今月から始めた無料出張上映会の第一回が 台東区の施設で行われた。 主催者は旅好きな会社員の人。 その

記事を読む

no image

イランにて思ふ

羽田発、関空経由でテヘラン直行のはずが、飛行機が遅れて乗り継ぎができず、 ドバイで一泊するはめになっ

記事を読む

no image

愛と追憶の帰国

別にタイトルに深い意味はない。いつものように普通に帰国しただけである。 といっても、今回の旅は

記事を読む

no image

大使館から始まる

今日、エチオピア大使館に指定された時間にビザを取りに行ったら、 担当者である日本人女性がいない。 車

記事を読む

no image

悪いのは飛蝗か

「本の雑誌」9月号を読む。 特集は翻訳ミステリ。 私は全く知らなかったが、飯田橋に「ブックスサカイ

記事を読む

no image

驚愕必至!

「おとなの週末」5月号が発売された。 この雑誌は実に読み応えがあるのだが、私がいちばん気に入ってい

記事を読む

no image

「ムー民」は無敵?

毎月のお楽しみ、「ムー」10月号が届いた。 今月号も「謎のUFO生物クリッター」(UFOは円盤ではな

記事を読む

Comment

  1. masa より:

    AGENT: Mozilla/5.0 (Macintosh; U; PPC Mac OS X; ja-jp) AppleWebKit/417.9 (KHTML, like Gecko) Safari/417.9.2
    初めてコメントさせていただきます.ミャンマーの柳生一族大変楽しく読ませていただきました!カッコイイ装丁だー!と思ってたのですが原書のあまりのド迫力に圧倒されてしまい思わずコメントをしてしいます。素晴らしい家宝ができてよかったですね。なんだか自分まで嬉しくなってしまいました。では,失礼しました。

  2. OPPU より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.17; Mac_PowerPC)
    おお、額装して烙印が入るといいですねぇ。
    立派過ぎて、飾るところに困りそうですが…。
    僕も『必殺装丁人』って書いて欲しかったっす。

  3. OPPU より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.17; Mac_PowerPC)
    “烙印”押しちゃいけませんね。“落款”の間違いです。失礼致しました。

  4. 小林 純 より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.17; Mac_PowerPC)
    本当に大きいんですね!
    字、というのは誠に書く人が書くと命というか力を持つものですね。
    「風りん」のロゴもある女流書家に書いてもらいました。

  5. りーだー より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)
    おおっ! かっこいいですね。
    ぜひコピーして1枚ください(笑
    この題字を染め抜いたTシャツとかあったら買っちゃうかも。

  6. KOW(つ∀`) より:

    AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322)
    Tシャツはいいですねえ

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年7月
    « 3月    
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    293031  
PAGE TOP ↑