冷や汗をかいた…
公開日:
:
最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
『本の雑誌 おすすめ文庫王国2006』が発売された。
毎年楽しみにしているムックだが、今回は私自身も「旅に持って行きたい文庫本」なる番外特別エッセイを書いているから、さっそく購入した。
ドトールでコーヒーを飲みながら読んでいけば、
『ミャンマーの柳生一族』がノンフィクション部門で9位に紛れ込んでいるし、
総合ベストテンでも座談会で名前があがっている。
(あっさり流されているが…)
いや、嬉しいなと思いつつ、自分のエッセイを読む。
と、突然、「ええっ!?」とわが目を疑った。
五味康祐『秘剣・柳生連也斎』を紹介するくだりで、”上泉武蔵守”と書かれているじゃないか!!
真っ青になり、冷や汗がどっと出てきた。
新陰流の始祖は、上泉”伊勢守”信綱だ。
なのに”武蔵守”と書いてしまった。
時代小説が好きな人間には考えられないミスだ。
織田信長を”織田秀吉”と書くようなものだ。
私はときどき、この手の凡ミスをやらかす。
またか…と思った。
「こんなことを書くようじゃ、みんな、俺の本なんか読む気なくすだろう」と、暗い気持ちで家路についた。
ところが…
(つづく)
関連記事
-
-
珍しく円城塔氏と気があった、と思ったのだが……「本の雑誌」上半期ベスト1特集
「本の雑誌」8月号が届いた。今回の特集は「2012年上半期ベスト1」で、私も書いている。題して「超人
-
-
サッカーファン強化合宿
高橋源一郎の小説『「悪」と戦う』(河出書房新社)を読む。 文学が成り立つ前提をとっぱらうというタカ
-
-
『神に頼って走れ!』カバー案できる
今年1月から3月にかけて行った自転車お遍路旅日記『神に頼って走れ!』が 集英社文庫から来年3月に発売
-
-
切羽詰まったら本人伝説
竹島問題と尖閣問題が勃発して以来、毎日が憂鬱でならない。特に尖閣は、もういつ軍事衝突になっても
-
-
モガディショで宮田珠己
ソマリランド&ソマリアでは、いろいろな理由で暇な時間がひじょうに長かった。 とくにソマリアの首都モガ
-
-
いよいよ『困ってるひと』
私がプロデュースする第1弾、大野更紗『困ってるひと(ポプラ社)の見本ができた。 カバーイラストはウェ
-
-
関野吉晴氏の映画とトークイベント
急ぎのお知らせ。 3月16日~29日、ポレポレ東中野にて、関野吉晴氏が主演(?)の映画「僕らの
-
-
ソマリランド飲酒紀行
昨日発売の週刊SPA!で私の「イスラム飲酒紀行 最終回」が掲載された。 最終回はソマリランド。 ソマ
Comment
AGENT: Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)
続きに期待します。
武蔵野守は……以前、そっち系の仕事とたことがあるので
笑えないというか……校正で気づけよですねぇ。
校正で見落とししたことよくある自分が言えた義理ではないのですが。