雑貨のような本
公開日:
:
高野秀行の【非】日常模様
カバーはメールで送られてきていたからすでに知ってはいたものの、あらためて手に取ってみると、一から十まで全て女性向け仕様。紙の質も日本の一般の書籍とはちがうし、印刷の知識のない私には何と言ったらいいかわからないが、部分的に文字や絵が浮き出るような独特の加工が施されている。
驚いたのは、腰を痛めて泣いている「私」の目から滴る青い「涙」が浮き上がるように見えることで、もはや本というより雑貨に近い。
韓国では本を読む人の8,9割が女性だというから、こんな思い切ったことができるのだろう。
日本ではもう単行本を買うという習慣が廃れつつあるが、なるほど、ここまでやれば、買う意味も出てくる。
書店でなく渋谷ヒカリエ辺りの雑貨屋で置いてもらえそうな気もする。
テレ東のワールドビジネスサテライトか「ガイアの夜明け」だったか忘れたが、この前、雑貨屋が繁盛しているという番組をやっていた。
スゴ腕のバイヤーが高い品質を誇りながら売れてない商品の買い付けをするとかいうやつだ。
私も自分の全著作を雑貨的な単行本にアレンジしなおし、女性向けに売り出してみたい。
意外と売れるのではないか。
スゴ腕のバイヤーよ、ぜひ私のところへ!!
関連記事
-
-
まんせーむーのうあんあん
「本の雑誌」で今度は、大槻ケンヂ氏と「マンセームーノー対談」。 オーケン博士の分析によれば、人は誰で
-
-
日本の中世人と現代ソマリ人の共通点と相違点
『謎の独立国家ソマリランド』の感想を述べたツイートに、清水克行『喧嘩両成敗の誕生』(講談社選書メチエ
-
-
高野秀行プロデュース第2弾! エンタメノンフ最終兵器登場。
もう高野本やこのブログの読者のみなさんにはお馴染みだと思うが、私の古い友人でスーダンから来た盲目の留
-
-
再読でも感激できる本2冊
取材で二日続けて神楽坂をうろつき、取材のためのリサーチと称して飲んだくれている。 その合間に、前に
-
-
ソマリアのワークショップで怪しまれる
日本エネルギー経済研究所・中東研究センターが主催するソマリア問題のワークショップというやつに行ってき
-
-
ナイロビのカリフォルニアにて
結局、ナイロビ市内は昼前なら歩いても、気をつけさえすれば、 問題ないとわかった。 酒もちゃんと飲んで
-
-
絶滅動物の生き残り?
さて、マリンダはいったいなにものなのか。 既知の現生哺乳類にはこんな動物はいない。 ところが、過去に
- PREV :
- 小説にいちばん近いルポ
- NEXT :
- マイク・ノックのニュー・アルバムを試聴してみよう!



