『ワセダ1.5坪青春記』韓国でヒット中
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最終更新日:2012/05/28
高野秀行の【非】日常模様
ソウル・ショック第2弾は、私の本の韓国語版『ワセダ1.5坪青春記』が
発売たった2ヶ月で3刷りになっていたこと。
韓国の「初版」「重版(増刷)」の感覚は日本とほぼ同じらしいので、
これは凄いことだ。
もっとも実売数は初版3千部、重版各2千部のトータル5千部。
韓国の人口は日本の約40%程度、本を読む人の割合は日本より少ないから
出版市場は日本の3分の一程度だからだ。
言い換えれば、日本の市場に大雑把に換算すると、
初版9千部、重版各2千部ずつ、トータル1万4千部くらい売れていることになる。
繰り返すけど、発売たった二ヶ月でだ。
ベストセラー街道を突っ走っているのである。
もっとも、今、韓国では「日本小説」が爆発的大ブーム。
『バッテリー』『博士の愛した数式』『せかちゅう』『模倣犯』『蹴りたい背中』など、ここ5,6年に出た日本のベストセラー小説が書店の平棚に数え切れないほど並んでいる。
出版社の人と話していても、「なんでもいいから日本の売れてる本を出したい」という感じで、
韓流ならぬ「日流」の様相を呈している。
だから、私の本が「日本小説」のなかで特に売れているのかどうか、
正直よくわからないのであった。
(写真:「読み出したらやめられない本」とかいうコーナーに置かれていた『1.5坪青春記』。ただし、こういうふうに立てかけたのは私)
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Comment
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予想通り!<嘘つけ
あとは日本での連続ドラマ(昔NHKにあった銀河テレビ小説ならベスト)
ですね。
高野さん役を誰がやるか、みんなで当てっこしませんか?
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なんか、大泉洋あたりが主役やりそう……。
というか、そういう夢を見たことはあります。
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いやいや、韓国でドラマ化して日本に逆輸入!
俳優なんて日本も韓国もゼンゼン知らんので誰がやってもどーでもいいのだが、燃える展開だぜ!
ムベンベもドラマ化し、オレも出して!
ところでその大雑把な出版換算、どーもオレには計算あわんのだが。
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それにしても日本でも今は書籍は初版5000部刷ればいい方ですから、やっぱすごい売れてると思います。
実は私も高野さんとほぼ同時期に社員旅行でソウルに行ってきました。書店の旅行なので(当然というかおまけというか)、韓国の書店の視察もありました。
行ったのはソウルで一番大きい教保文庫という本屋です。そこで店員さんに韓国語版『ワセダ1.5坪青春記』のことを尋ねると、案内してくれたのがその「日流」のコーナーでした。
いや〜感激しましたね。しっかりと平積されて、私の長年の書店人としての勘?が「これはけっこう売れているな。」と告げておりました。
もちろんまよわず購入。9800ウォンということは日本円で1200円強。そうすると原本の価格は580円ですので約2.倍。またまた勝手な計算ですが、金額ベースとして文庫に換算して2万8千部以上も売れているということになります!?