*

学校や仕事に行くのが辛いとき、この映像を見よう

公開日: : 最終更新日:2013/09/02 高野秀行の【非】日常模様

2013.05.16wagamousou
アブディンの『わが盲想』、やっと重版がかかった。
「すぐにドカーンと売れる」という私の皮算用からはまだほど遠いが、一応最初の関門は突破だ。

それを祝ってではないだろうが、ポプラ社でアブディンのプロモーション・ビデオを作ってくれた。

『わが盲想』がイマイチ一般読者に届いていないのは、『わが盲想』が一体何の本なのか一口で説明できないからだ。
別に頑張ってる障害者の話ではないし、かわいそうなアフリカ人の話では全然なく、
努力すればこんなこともできるんだという類のサクセス・ストーリーでもなく(なんせ本人は怠け者)、
日本人が大好きな日本批判の本でもない。

読めばその面白さはわかるのだが、読まないとなかなかそれが伝わらない。
まるで、かつて高野本に言われていたことと同じだ。

というわけで、ビデオは本人が見られるので大いに力を発揮するにちがいない。

あらためてこれを見たら、「アブって、すげー面白い奴だったんだ!」と驚いてしまった。
私はあまりに彼としょっちゅう話をしてるので、今さら面白いとかなんとか思わない。
一般人の目線で見て、やっとそれに気づいた。そして大笑いした。

それから『わが盲想』とは何か。アブがビデオで言っていることがいちばんわかりやすい。
「情報というのは視覚によるものが7割あるらしい。その情報が得られない、しかも日本語もわからない外国人が
いかにして見知らぬ日本という国をサバイブ(生き残る)してきたか」(意訳)

2分半ほどだし、朝、学校や会社に行くのがかったるいと思ったときに見るとちょうどいいのではないかと思う。

関連記事

no image

ゴール目前で足がつったマラソンランナー

2月刊行の『謎の独立国家ソマリランド』が佳境だ。 すでに地図、相関図、ソマリ群雄割拠之図、口絵のカ

記事を読む

no image

井原美紀さんと対談

井原美紀という作家さんと対談を行った。 小説すばる9月号の「旅」特集の目玉(?)である。 彼女は「

記事を読む

no image

ずいぶん前の話だけど

ずいぶん前の話だけど、早大探検部の先輩・西木正明の『流木』(徳間文庫)という本の「解説」を頼まれて、

記事を読む

no image

「ムー」9月号ミラクル対談

不本意ながら「レジャー」を楽しんだと昨日書いたが、 もっと不本意なことに体のあちこちが筋肉痛になっ

記事を読む

no image

療養中の人にはアスクル?

「アスクル」、売れ行きはどうかわからないが、 評判はいい。 amazon.comでも、私の本の中では

記事を読む

no image

新刊『アジア未知動物紀行』が発売

新刊『アジア未知動物紀行』(講談社)があさって、つまり2日に発売となる。 ある意味で私の未知動物探索

記事を読む

no image

なぜ妻子持ちは超過酷に挑むのか

1カ月ほど前、鏑木毅『激走100マイル 世界一過酷なトレイルラン』(新潮社)という本を読んで感銘

記事を読む

no image

内澤旬子と三匹の豚

ジュンク堂新宿店で、宮田珠己部長、内澤旬子副部長とトークショーを行った。 本来、宮田部長が『スットコ

記事を読む

no image

トルコの飲酒史

トルコ通風来坊の末澤の紹介で、16世紀オスマン朝の文化・経済を研究している気鋭の研究者Sさんと一杯や

記事を読む

no image

ソマリアの海賊裁判は面白い!

ほとんどの人が知らないと思うが、ソマリアの海賊が日本に来ている。 日本も国際協力の名の下に法整備を行

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

  • 2024年12月
    « 3月    
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    3031  
PAGE TOP ↑