*

英国人の見たSMAP

公開日: : 最終更新日:2014/02/03 高野秀行の【非】日常模様

2014.01.19eikoku
内澤旬子さんと「日本の食」について話してほしいという依頼があり、
「そんなもん、俺に語れるのか」と不安にかられた。
で、何かネタにならないかと思って読んでみたのがマイケル・ブース『英国一家、日本を食べる』(亜紀書房)
世界的なフードジャーナリストが3ヶ月にわたって、日本全国を食べ歩いた旅行記だ。

欧米人がアジア人を見るとき特有の「上から見下ろす目線」がなく、
ユーモアがあり、話もおもしろい。
対談のネタどうこうと関係なく楽しんでしまった。

いちばん笑ったのは、著者がビストロSMAPの撮影現場に行き、SMAPのメンバーと会うシーン。
香取慎吾と中居正広はひじょうに魅力的だと言っているが、「でもその他の3人は、僕から見ると煮え切らない感じだったり、しかめっ面だったり、ぼんやりしている風だったりで、あまり目立っていなかった」

SMAPについて、こんな感想を言えるのは外国人のみだ。しかもわりと適確なので二度笑える。
他にも日本の料理界や日本の料理について、独特の見解が示されていて、何度も「へえ、そうなのか!」と驚かされた。
ちなみに、彼が「世界に広まっていないのが不思議」と絶賛する日本の料理が
三つ登場した。私には意外なものだった。ご興味がある方はぜひご一読を。

関連記事

no image

アフガニスタン本ベストワンはこれだ!

前にここで紹介した石井光太・責任編集『ノンフィクション新世紀』(河出書房新社)で、国分拓と柳

記事を読む

no image

おもしろくないことがおもしろい

キタ帰国の二日後、つまり6日から9日まで沖縄に行ってきた。 10年以上前、大連に短期留学をしたときさ

記事を読む

no image

今さらだが…

角田光代『八日目の蝉』(中央公論新社)を読む。 今まで読んだ角田作品の中で(そんなにたくさん読んでな

記事を読む

no image

怪談実話系7で「神隠し」

『怪談実話系』というシリーズをご存じだろうか。 実話という建前で、でもフィクションも交えた「怖い話

記事を読む

no image

魔術的リアリズムのブラジルサッカー

アレックス・ベロス『フチボウ—美しきブラジルの蹴球』(ソニーマガジンズ)は 実に面白い本だった。

記事を読む

携帯電話が故障中&ここ数年でベストのサッカー本

携帯電話が帰国直後に突然壊れてしまった。 いつもなら慌てて修理に走るところだが、これまで2ヶ月

記事を読む

新連載開始?

今、すでに五誌(紙)で連載していてアップアップなのに 今度は「本の雑誌」で新連載を開始してしま

記事を読む

no image

日本最速の作家

台風のなか、八王子にある宮田珠己ことタマキングの仕事場にお邪魔する。 先日は話し足りなかったし、編集

記事を読む

no image

やっぱり見つからない…

月刊『SWITCH』の読書欄で『怪獣記』の著者インタビューを受ける。 行きつけの書店で「旅」に関する

記事を読む

no image

『犬部!』

明日7日、妻・片野ゆかの新刊『犬部!』(ポプラ社)が発売される。 犬部とは、北里大学獣医学部に実在

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

  • 2024年12月
    « 3月    
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    3031  
PAGE TOP ↑