*

移住するなら盛岡がいい

公開日: : 高野秀行の【非】日常模様

先週の土曜日、盛岡市のMORIOKA TSUTAYAでのトークイベントに行ってきたのだが、盛岡の読書環境の豊かさには
驚かされた。

この店は全国のTSUTAYAでも二番目に大きな店舗だそうだが、品揃えの豊富さ、ゆったりしたスペース、子供が遊べる場所を玩具売り場のそばに設けて、家族連れが楽しめるようにする作り、店内のカフェでは商品の本を自由に読めるなど、
まあ、本好きにとっては至れり尽くせりの夢のような空間である。
すっかり感動し、いつもは読まないアメリカ文学のハードカバーなんぞを買ってしまった。

しかし、盛岡に感心するのはまだ早くて、JR盛岡駅構内には「さわや書店フェザン店」というのがあると
親切にもTSUTAYAの社長ご本人が入口まで案内してくれた。
私も名前だけは知っていた。ツイッターでよくツイートが流れてくるので、
「どうして盛岡の書店がこんなに影響力をもってるんだろう?」と不思議に思っていたのだ。

行ってみると、店の内外に本の紹介というかレポートというのか、模造紙にマジックで書かれた熱い文章が
びっしり貼られており、こんなのは東京都内はおろか、他の地域でも見たことがない。
まるで学園祭のようで、なるほど、さわやフェザンが尋常な店ではないことがよくわかった。
こっちでは、これも今までまったく手をつけてなかった吉田修一の文庫を購入。

盛岡は料理もひじょうに美味しく、東京都内にも存在しない魅力的な書店が二店舗もあり、
もしどこかに移住するなら盛岡と勝手に決めたのだった。

        ☆         ☆         ☆

2014.04.15sahara
拙著『世にも奇妙なマラソン大会』(集英社文庫)が18日、今週の金曜日に発売になる。

このゲラを読み返して気づいたのだが、『謎の独立国家ソマリランド』を書いていたとき、
西サハラも未確認国家だということをすっかり忘れていた。
しかもこちらは世界50カ国くらいで承認されており、ソマリランドよりはるかに国際的には認められているのに。
ともに砂漠の遊牧民であり、比較すると面白いはずだ、とこれまた今頃気づいたのだった。はあ。

関連記事

no image

ソマリ兄妹来宅の巻

アブディラフマンとサミラのソマリ姉妹がうちに来て、遅まきながらラマダン明けのパーティ。 サミラ

記事を読む

no image

最終的にはパッション

宮田部長の『だいたい四国八十八カ所』(本の雑誌社)が重版になったそうだ。 このすさまじい出版不況下

記事を読む

no image

キワモノ作家の王道娯楽ミステリ!?

久しぶりに新規の(自分にとって)小説を楽しんで読んだ。 田中啓文『チュウは忠臣蔵のチュウ』(文春文

記事を読む

no image

「移民の宴」ソマリ篇?

長生きはするものである。 かつてレトルトカレーを「めんどくさい」という理由で温めずに食っていた

記事を読む

no image

鼠にも刺青を彫る?!――『バタス 刑務所の掟』

藤野眞功『バタス 刑務所の掟』(講談社)を今頃読んだ。2010年に出たとき、本屋で立ち読みしたが、な

記事を読む

no image

御礼申し上げます

堀内倫子さんのことを書いたら、ブログのアクセス数が跳ね上がって驚いた。 アクセスしたら自動的に私の

記事を読む

no image

記憶がないからどうにも

1年に1度くらいのペースで、自分に「映画ブーム」が来る。 今年はなぜか今がそう。 昨日、伊坂幸太郎の

記事を読む

no image

私の名は「ヒダヤットゥラー高野」

昨日のカロメに続き、連日のサプライズである。  数日前、在日外国人関係の取材で、在日パキスタン協会の

記事を読む

no image

ドリアン系の作家たち

私が中島義道先生や町田康の本を面白いと書いて、なんだか意外だったようだが、 ほんとうに両方とも好き

記事を読む

no image

ツチノコ!?の正体

昨日の画像はコメントしてくれた方の指摘どおり、フォトショップで加工がされていた。 もともとの画像は

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

no image
イベント&講演会、テレビ・ラジオ出演などのご依頼について

最近、イベントや講演会、文化講座あるいはテレビ・ラジオ出演などの依頼が

ソマリランドの歌姫、来日!

昨年11月に、なんとソマリランド人の女性歌手のCDが日本でリリ

『未来国家ブータン』文庫はちとちがいます

6月23日頃、『未来国家ブータン』が集英社文庫から発売される。

室町クレージージャーニー

昨夜、私が出演したTBS「クレイジージャーニー」では、ソマリ人の極

次のクレイジージャーニーはこの人だ!

世の中には、「すごくユニークで面白いんだけど、いったい何をしている

→もっと見る

    • アクセス数1位! https://t.co/Wwq5pwPi90 ReplyRetweetFavorite
    • RT : 先日、対談させていただいた今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(秋田嘉美氏と共著、中公新書)が爆発的に売れているらしい。どんな内容なのかは、こちらの対談「ことばは間違いの中から生まれる」をご覧あれ。https://t.c… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 今井むつみ/秋田喜美著『言語の本質』。売り切れ店続出で長らくお待たせしておりましたが、ようやく重版出来分が店頭に並び始めました。あっという間に10万部超え、かつてないほどの反響です! ぜひお近くの書店で手に取ってみてください。 https:/… ReplyRetweetFavorite
    • RT : 7月号では、『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)が話題の高野秀行さんと『ムラブリ』(同上)が初の著書となる伊藤雄馬さんの対談「辺境で見つけた本物の言語力」を掲載。即座に機械が翻訳できる時代に、異国の言葉を身につける意義について語っ… ReplyRetweetFavorite
    • オールカラー、430ページ超えで本体価格3900円によくおさまったものだと思う。それにもびっくり。https://t.co/mz1oPVAFDB https://t.co/9Cm8CjNob8 ReplyRetweetFavorite
    • 文化背景の説明がこれまた充実している。イラク湿地帯で食される「ハルエット(現地ではフレートという発音が一般的)」という蒲の穂でつくったお菓子にしても、ソマリランドのラクダのジャーキー「ムクマド」にしても、私ですら知らなかった歴史や… https://t.co/QAHThgpWJX ReplyRetweetFavorite
    • 最近、献本でいただいた『地球グルメ図鑑 世界のあらゆる場所で食べる美味・珍味』(セシリー・ウォン、ディラン・スラス他著、日本ナショナルジオグラフィック)がすごい。オールカラーで写真やイラストも美しい。イラクやソマリランドで私が食べ… https://t.co/2PmtT29bLM ReplyRetweetFavorite
  • 2024年2月
    « 3月    
     1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    26272829  
PAGE TOP ↑